電気温水器の水抜き方法を完全解説!凍結や破裂を防ぐ手順と注意点
冬場の厳しい寒波や、出張・旅行・別荘のオフシーズンなどによる長期不在時に欠かせないメンテナンスが「電気温水器の水抜き」です。普段あまり意識することのない作業ですが、適切な処置を怠るとタンクや配管内で水が凍結・膨張し、配管破裂や本体の致命的な破損を招く危険性があります。
一度タンクが破裂すると、本体の全交換で数十万円規模の出費が発生するだけでなく、マンションやアパートでは階下への漏水被害に発展するケースも後を絶ちません。正しい手順さえ把握していれば、専門業者を呼ばずとも自身で安全に作業を完了できます。メーカーごとの違いや再稼働時のポイントまで、事故を防ぐ実践的なノウハウを詳しくお届けします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:氷点下の凍結や1か月以上の長期不在時は、破裂や内部腐敗・漏水を防ぐために水抜きが必須。
- 要点2:作業は「電源OFF」「給水元栓を閉める」「逃し弁を開ける」「排水栓を開ける」の4段階が基本。
- 要点3:再稼働時は必ず「タンクを満水にして空気抜きを行ってから」通電し、ヒーターの空焚きを防ぐ。
【なぜ必要?】電気温水器の水抜きをしないと起こる深刻な故障リスク
電気温水器の中に水を溜めたまま放置すると、季節や使用状況に応じて深刻なトラブルを引き起こします。特に注意すべきなのが「冬期の凍結」と「長期不在による衛生悪化・腐食」の2点です。
水は氷に変化する際、体積が約9%膨張します。電気温水器のタンクや逃し弁、銅配管の内部で密閉された水が凍結すると、内圧の逃げ場がなくなり金属配管が裂けたり、タンク溶接部が破裂したりします。寒冷地はもちろんのこと、南関東や関西などの比較的温暖な地域であっても、氷点下4度を下回る放射冷却の夜には凍結事故が多発しています。
また、1か月以上家を空ける長期不在時にも水抜きが必要です。タンク内の滞留水が腐敗して配管のサビを促進させるほか、パッキンの劣化や微小な亀裂から留守中に漏水が発生し、床が水浸しになるリスクを排除するためです。無用な故障と高額出費を回避するためにも、適切なタイミングでの水抜きが求められます。
【基本手順】失敗しない電気温水器の水抜きやり方と4つのステップ
電気温水器の水抜き作業は、正しい順番を守れば専門知識がなくても行えます。基本となる4つのステップを確認しましょう。
ステップ1:漏電遮断器(電源ブレーカー)をOFFにする
作業前に、本体の操作パネルや分電盤にある専用ブレーカーを切ります。タンク内に水が入っていない状態で通電すると、ヒーターが異常過熱して焼き切れる「空焚き事故」を引き起こすため、電源の遮断は最優先事項です。
ステップ2:給水配管専用止水栓(給水元栓)を閉める
本体下部や配管カバー内にある給水止水栓を時計回りに回して完全に閉めます。これにより、作業中に新しい水がタンク内へ流入するのを防ぎます。
ステップ3:逃し弁のレバーを起こす(開ける)
本体上部または側面の点検口にある「逃し弁」の保護カバーを開け、手動レバーを直角に引き起こします。密閉されたタンク内に空気を取り込む空気弁の役割を果たし、排水をスムーズにするために欠かせない操作です。
ステップ4:排水栓(排水バルブ)を開けて水を排出する
本体下部の排水栓を反時計回りに回して開放します。排水ホースや排水口から勢いよく水(またはお湯)が排出され始めます。併せて、配管途中に設置されている「減圧弁」の水抜き栓も緩め、配管内の残留水をしっかり抜いておきます。
【所要時間と注意点】電気温水器の水抜きにかかる排水時間と安全対策
水抜きにかかる排水時間は、タンク容量によって異なります。一般的な家庭用電気温水器(370L〜460L)の場合、タンク内の水がすべて抜け切るまでに約30分から1時間程度の時間を要します。
作業を行う上で最も警戒しなければならないのが「熱湯による火傷」です。直前まで沸き上げを行っていた場合、タンク内には80度〜90前後の高温水が大量に蓄えられています。排水ホースが外れて周囲に飛び散ったり、排水栓を触った際に熱湯を浴びたりすると大怪我につながります。
安全に作業を進めるためには、水抜きを行う前日の夜から沸き上げを停止し、お風呂やシャワーでタンク内のお湯を使い切っておくのが理想的です。ぬるま湯〜水の状態までタンク温度を下げてから作業に取りかかることで、火傷リスクを最小限に抑えられます。
【主要メーカー別】三菱・パナソニック・コロナの水抜き手順の違い
基本的な原理は共通しているものの、点検窓の位置やバルブの形状はメーカーごとに若干異なります。各社の特徴を把握しておくと作業がスムーズです。
【三菱電機(MITSUBISHI)】
三菱製の電気温水器は、下部カバー内に「給水ストレーナー」と一体になった水抜き栓が配置されているモデルが多く見られます。排水栓を開けた後、ストレーナーを外して内部のフィルター清掃も同時に行うのが推奨手順となっています。
【パナソニック(Panasonic)】
パナソニック製は、操作ガイドが本体前面のパネル裏に印字されているケースが多く親切な設計です。逃し弁レバーを起こした際、排水口からの水漏れがないかを確認しつつ、下部の非常用取水栓や排水バルブを操作します。寒冷地仕様では凍結防止ヒーター用のプラグを抜くタイミングも指定されています。
【コロナ(CORONA)】
コロナ製は、減圧弁と逃し弁の点検窓が明確に分かれているのが特徴です。配管カバーを開けると逃し弁点検口、減圧弁水抜き栓、排水栓が分かりやすくレイアウトされており、手順通りに番号順でバルブを開放していく構造が採用されています。
【復旧の手順】再稼働時に必須となる「空気抜き」と満水の確認法
春先や帰宅後に電気温水器を再び使用する際は、水抜き以上に慎重な「復旧作業」が求められます。間違った順序で電源を入れると、一瞬で内部ヒーターが破損します。
手順1:排水栓と減圧弁の水抜き栓を完全に閉める
開放していた排水栓をしっかり閉め込みます。緩みがあると給水した水がそのまま流れ出てしまいます。
手順2:給水止水栓を全開にする
給水元栓を開けてタンク内へ水を送り込みます。この時、逃し弁のレバーは「起こしたまま(開けた状態)」にしておきます。
手順3:逃し弁の排水口から水が出るまで「空気抜き」を行う
タンク内に水が溜まるにつれて、内部の空気が逃し弁から押し出されます。やがて逃し弁の排水パイプから「ジャー」と連続して水が溢れ出てきたら、タンクが満水になった合図です。ここで逃し弁レバーを元の位置に戻し(倒し)、台所や浴室の混合水栓(お湯側)を開けて蛇口からも水が勢いよく出ることを確認します。
手順4:漏水がないか確認後、ブレーカーをONにする
配管接続部や各水抜き栓から水漏れがないことを最終確認した上で、専用ブレーカーを入れます。通電後、リモコンの設定を行い、深夜の沸き上げが正常に開始されるのを待ちます。
【電気温水器の水抜き方法】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:冬場に数日間家を留守にする程度でも水抜きは必要ですか?
A1:数日程度の短い不在であれば、電気温水器本体のブレーカーを切らずに通電状態を維持し、凍結防止ヒーター(凍結予防運転)を作動させておけば水抜きをしなくても防げるケースが一般的です。ただし、マイナス5度を下回るような記録的寒波が予想される場合や、ブレーカーごと落として外出する場合は、数日であっても水抜きを行うのが安全です。
Q2:逃し弁のレバーが固くて上がりません。無理に動かしても大丈夫ですか?
A2:経年劣化や水垢の固着により、逃し弁レバーが硬直している可能性があります。工具などで無理に強い力をかけると、弁の軸が折れたり内部パッキンが破損して水漏れが止まらなくなる危険があります。自力で動かない場合は無理をせず、メーカーの修理窓口や専門の水道業者に点検・交換を依頼してください。
Q3:水抜きをしたのに再開時にお湯が出ない原因は何ですか?
A3:最も多い原因は「満水になる前にブレーカーを入れてしまい、ヒーターが断線・故障した(空焚き)」ケースです。また、給水元栓の開き忘れや、配管内のエア噛み(空気溜まり)によって水流が検知されていない可能性もあります。蛇口のお湯側から水が勢いよく出る状態を確認し、エラーコードが表示されていないかリモコンを点検してください。
まとめ:正しい水抜きと定期メンテナンスで温水器の寿命を延ばそう
電気温水器の水抜きは、寒波による凍結破裂や長期不在時の漏水事故から住まいを守るための必須メンテナンスです。「電源を切る」「元栓を閉める」「逃し弁と排水栓を開ける」という基本のルールを押さえておけば、トラブルを未然に防ぐことができます。
また、再稼働時には必ず「満水確認と空気抜き」を行ってから通電することが、機器の寿命を縮めないための最大の鉄則です。取扱説明書を手元に置き、自宅の機種に合わせた手順を確認しながら、安全かつ確実にメンテナンスを実施してください。 (出典: 電気 温水 器 水 抜き 方法(Yahoo!ニュース))