卒論の「おわりに」完全攻略ガイド!結論や謝辞の違いと例文解説
大学生活の集大成である卒業論文の執筆において、本文を書き終えた直後に多くの学生が頭を抱えるのが最終章「おわりに」の書き方です。「本論の結論と何が違うのか」「どこまで個人的な感想や指導教員への感謝を書いてよいのか」と筆が止まるケースは少なくありません。
学術論文としての厳密な客観性を崩さず、なおかつ研究を支えてくれた指導教員や関係者、家族への礼節を尽くすには、明確な構造設計とアカデミック・ライティングのマナーが不可欠です。本稿では、文系・理系別のテンプレートや具体的な例文、提出直前のNG表現までを徹底的に整理し、迷わず書き上げるための実践的ノウハウを提示します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「おわりに」は研究成果の総括・残された課題に加え、研究協力者や恩師への「謝辞」を統合する章立てである。
- 要点2:学術的事実のみを冷徹に述べる「結論・結言」に対し、「おわりに」は研究の限界や主観的な謝意を含められる点が決定的に異なる。
- 要点3:指導教員の敬称ルールや家族への言及マナーを守り、エッセイ調の口語表現を排除することで論文全体の品格を担保できる。
【概念の整理】卒論の「おわりに」「結論」「結言」「謝辞」の決定的な違い
論文の末尾に配置される項目には、「結論」「結言」「おわりに」「謝辞」「あとがき」など複数の呼称が存在し、初学者を混乱させる要因となっています。これらの用語は同義ではなく、担う役割や記述できる内容の客観性レベルが明確に区別されています。
まず、卒論の結論・考察・おわりにの役割分担を理解することが第一歩です。「考察」は得られたデータや分析結果から論理的に導かれる解釈を議論する場であり、「結論」や理工系で用いられる結言(けつげん)は、論文全体で実証された学術的事実のみを端的にまとめるセクションです。ここには個人的な感想や感謝の言葉を差し挟む余地は一切ありません。
一方、卒論の終わりに・謝辞・違いに目を向けると、「おわりに」は研究の総括、研究の限界、今後の発展可能性に加えて、研究を支えた人々への謝辞を包括した章として機能します。海外の学術論文では「Conclusions」と「Acknowledgements(謝辞)」が完全に分離される形式が一般的ですが、日本の大学における卒業論文では、これらを統合して1つの「おわりに」という章にまとめる執筆規定が多く見られます。
| 章立て・項目名 | 詳細・記載内容 | 一般的な文字数・配置 | 編集部の見解・評価 |
|---|---|---|---|
| 結論(結言) | 研究の問いに対する明確な答え、客観的な実証結果のみを簡潔に記述。 | 400〜800字程度(本論の最終章) | 主観や感想は完全排除が鉄則。学術的妥当性の最終確認ポイント。 |
| おわりに | 研究全体の要約、研究の限界・今後の課題、指導教員や関係者への謝意。 | 600〜1,500字程度(章として配置) | 総括と謝辞を包括できるため、学部生の卒論では最も汎用性が高い。 |
| 謝辞(単独) | 指導教員、研究室メンバー、調査対象者、科研費補助等への純粋な謝意。 | 300〜600字程度(独立した節または巻末) | 理系論文や査読付き学会誌のフォーマットに準拠する場合に最適。 |
| あとがき | 研究に取り組んだ個人的動機、執筆中の苦心談、卒業後の抱負など。 | 400〜1,000字程度(巻末付録扱い) | 文芸・芸術系やゼミ誌向け。厳格な学術論文では使用を避けるのが無難。 |

卒論の「おわりに」基本構成と目安文字数|文系・理系別の黄金テンプレート
論文全体のバランスを崩さないためには、卒論のおわりにの文字数と段落構成のコントロールが欠かせません。一般的な学士論文(20,000字〜30,000字規模)の場合、「おわりに」に割くボリュームは全体の3〜5%(約600字〜1,200字)、ページ数にしてA4用紙1枚〜1.5枚程度が最も美しいレイアウトとされています。
読みやすく説得力のある卒論のおわりにの構成は、以下の4ステップで展開するのが定石です。
- 研究の総括と到達点(全体の約30%):本研究で明らかになった核心部分を2〜3行で再提示する。
- 研究の限界と今後の課題(全体の約30%):調査サンプル数や実験環境の制約、時間的都合で掘り下げられなかった領域を学術的に開示する。
- 研究活動を通じた学びと社会的意義(全体の約15%):本研究が学術界や実務現場に与える示唆をまとめる。
- 指導教員・関係者への謝辞(全体の約25%):指導教授、ゼミ生、ヒアリング対象者等への感謝を敬語で綴る。
この4要素をテンプレート化し、自身の研究分野に合わせてカスタマイズすることで、論理破綻のない安定した結びが完成します。
第〇章 おわりに
本研究では、[研究対象・テーマ]について[分析手法・調査内容]を通じて検証を行ってきた。その結果、[主要な知見・結論の要約]という知見を得ることができた。
しかしながら、本研究には[調査対象の限定性・実験条件の制約など]という限界が残されている。[積み残した論点]については、今後さらなるデータ蓄積と多角的な分析による検証が不可欠であり、今後の課題としたい。
本稿で得られた知見が、[対象分野や実務領域]における議論の深化に寄与することを期待する。
最後に、本論文の執筆にあたり、終始熱心かつ丁寧なご指導を賜りました指導教員の[指導教員氏名]教授に深く御礼申し上げます。また、有益な助言と議論の場を提供してくださった[ゼミ・研究室名]の皆様、ならびにお忙しい中調査にご協力いただきました[調査対象者・企業名等]の関係各位に心より感謝申し上げます。
【そのまま使える例文集】教授への感謝から親・家族・調査協力者まで
状況に応じた具体的な卒論のおわりにの例文と、単独で掲載する際の卒業論文の謝辞の書き方を文系・理系・対象者別に提示します。コピペした上で、研究室の規程や自身の状況に合わせて固有名詞を打ち換えて利用してください。
1. 文系標準パターン(ゼミ教員+フィールドワーク・ヒアリング協力者+家族)
本論文を締めくくるにあたり、多大なるご協力をいただいた方々に深甚なる謝意を表します。
指導教員である山田太郎教授には、構想段階から執筆の最終段階に至るまで、的確かつ温かいご指導と叱咤激励を賜りました。教授の緻密な文献講読と鋭い着眼点は、未熟な筆者にとって常に大きな道標となりました。
また、現地調査およびインタビュー調査に際し、多忙な業務の中快く貴重なお時間を割いてくださった〇〇商店街振興組合の皆様に厚く御礼申し上げます。皆様の率直な生の声なくして本研究の成立はありませんでした。あわせて、日頃より活発な議論を交わし励まし合ってきた現代社会学ゼミナールの同期諸氏、ならびに4年間の大学生活を精神的・経済的に支え続けてくれた家族に心より感謝の意を表し、本稿の結びといたします。
2. 理系標準パターン(指導教官+共同研究室メンバー+技術職員)
本研究の遂行にあたり、終始懇切丁寧なご指導と熱心なご討論をいただきました指導教員の佐藤次郎准教授に心より感謝申し上げます。研究の方向性に迷った際にも常に論理的思考の指針を示していただき、研究者としての基礎を学ぶことができました。
また、実験装置の運用およびデータ解析手法に関して多大なご助言と技術支援を賜りました技術職員の鈴木一郎氏、ならびに日常的な実験補助やディスカッションを通じて本研究を支えてくださった〇〇物性研究室の皆様に深く感謝いたします。
本研究の一部は、独立行政法人日本学術振興会科学研究費助成事業(課題番号:〇〇〇〇〇〇)の支援を受けて実施されたものです。関係各位に厚く御礼申し上げます。
3. あとがき風に学生生活の振り返りを盛り込むパターン(文芸・人文学・ゼミ誌向け)
文学部や教育学部などで、ある程度主観的な思い入れの記述が許容されている場合の卒論のあとがきの例文です。
振り返れば、〇〇のテクストと向き合い続けたこの1年間は、自己の無知を痛感させられる試行錯誤の連続であった。幾度となく論理の破綻に直面しながらも、一つの論文として結実させることができたのは、ひとえに周囲の支えがあったからに他ならない。
学問の厳しさと探究の喜びを教えてくださった指導教員の高橋花子先生に深く感謝申し上げます。また、深夜まで議論を尽くした図書館での日々を共有した学友たち、そして常に温かく見守り応援してくれた両親への感謝は尽きません。大学で培った批判的思考力を糧に、社会においても誠実に歩みを進めてまいります。

【実態検証】学生が陥りがちなミスと現場で審査教員がチェックしているリアル
大学の卒業論文審査において、教員は「おわりに」の文面から学生の論理的思考力とアカデミック・リテラシーの定着度をシビアに観察しています。SNSや学生ポータルサイトでも提出間際に「感謝を書きすぎて指導教員に突き返された」「敬称を間違えて青ざめた」といった報告が後を絶ちません。
審査教員の現場目線から見ると、最も評価を下げる要因は「公私の境界線の喪失」です。謝辞は個人の感情を吐露する場ではなく、学術的な研究プロジェクトを公的に成立させた関係者への公式な御礼です。そのため、内輪受けのあだ名や、研究活動と無関係な友人への過剰なメッセージを記載することは、学士論文としての格式を著しく損ないます。
特に卒論における親や家族への感謝については、記載すること自体はマナー違反ではありませんが、配置と分量に細心の注意が必要です。指導教員や調査協力者といった学術的貢献者よりも前に家族を記載したり、長文の私信のような文章を書き連ねたりすることは避け、謝辞の末尾に「終始支援してくれた家族に感謝の意を表します」と1文程度で添えるのが大人のマナーです。
提出直前の落とし穴|絶対に避けるべきNG表現と減点リスクの防ぎ方
提出直前のセルフチェックで特に注意すべき卒論のおわりにのNG表現を整理しました。これらは論文全体の完成度を一気に落とす減点リスクとなります。
- NG1:エッセイ調・口語調の感情表現
❌「〜して本当に楽しかった」「とても苦労したけれど良い思い出になった」
⭕「〜を通じて学術的知見を深める貴重な機会となった」「試行錯誤の過程を通じて多くの学びを得た」 - NG2:指導教員に対する不適切な敬称ミス
❌「山田太郎様」「山田教授先生」「指導教官の山田さん」
⭕「指導教員の山田太郎教授」「山田太郎先生」
※卒論の指導教員の敬称マナーとして、「様」はビジネスメールの宛名であり論文謝辞では不適切です。「先生」または役職名である「教授」「准教授」を使用します。「教授先生」のような二重敬語も避けてください。 - NG3:結論部分の完全なコピー&ペースト
「結論」で書いた段落をそのまま「おわりに」に貼り付けると、構成上の手抜きとみなされます。おわりにでは「研究全体の文脈における位置づけ」として要約し直す表現の工夫が必要です。 - NG4:プライバシー配慮を欠いた個人名の記載
アンケート調査や個別インタビューの協力者の氏名を、本人の許諾なく実名で記載することは研究倫理違反(コンプライアンス違反)に該当します。「被験者の皆様」「ご協力いただいたA社の関係者各位」など、匿名化の処理を徹底してください。

【プロの結論】アカデミック・ライティングにおける「境界線」と書き分け基準
【プロの結論】学術的客観性と個人的謝辞の「心理的バウンダリー(境界線)」
論文執筆における最大の教訓は、「客観的成果の開示」と「人間関係への礼節」の境界線(バウンダリー)を明確に保つことにあります。卒業論文は単なる卒業記念文集ではなく、大学という公的機関に保管される学術文書です。
自身の研究がいかに未熟であっても、「未熟ながら頑張りました」という自己弁護(エモーショナルな訴え)に逃げてはなりません。研究の限界は客観的なデータや手法の制約として論理的に記述し、感謝は礼節を尽くした敬語で過不足なく述べる――この自立した境界線の維持こそが、社会に出てからも通用する知的生産の基礎となります。
【プロの結論】「おわりに」に謝辞を統合すべき人・独立させるべき人の判断基準
- 「おわりに」の中に謝辞を統合して書くべき人:
文系学部全般、および全体の文字数が15,000字〜30,000字程度の標準的な学士論文を執筆している学生。全体の章立てをすっきりとまとめたい場合に推奨されます。 - 「結論」と「謝辞」を完全に独立した章として分けるべき人:
理工系・農学・医薬系などの理系学部、学会誌への投稿を前提とした卒業研究、または科研費補助・企業共同研究など利害関係者が多数関与している論文。この場合は「第〇章 結論」と「謝辞」を別ページに切り離すフォーマットが適しています。
提出前チェックリスト|卒論の「おわりに」完璧確認シート
印刷製本・PDF提出の直前に、以下の卒論提出前チェックリストで最終確認を行ってください。
- ☑ 章タイトルの整合性:目次の表記(「おわりに」「結言」等)と本文の見出しが完全一致しているか
- ☑ 結論との差別化:結論の丸写しにならず、「今後の課題」「展望」が明記されているか
- ☑ 指導教員の氏名・役職:漢字の誤変換はないか、役職(教授・准教授・講師)に間違いはないか
- ☑ 敬称の統一:「様」を使わず「教授」「先生」などで統一されているか
- ☑ 調査協力者の匿名化:個人情報や社外秘情報が無断で実名掲載されていないか
- ☑ 文末の文体:「である・だ調」で統一されているか(※謝辞部分のみ「です・ます調」または「感謝いたします」の敬体で結ぶのが標準)
- ☑ 家族への謝意のバランス:指導教員や協力者より前に書かれていないか、過度な私信になっていないか
【卒論 終わり に】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:卒論で「おわりに」は必ず書かなければいけませんか?省略は可能ですか?
A1:大学や学部・専攻の執筆要領(ガイドライン)によりますが、一般的には「はじめに(序論)」と対になる形で「おわりに(結論・総括)」を設けることが推奨されます。ただし、章立てとして「第〇章 結論」を設けてその後に「謝辞」を単独で置くフォーマットの場合は、「おわりに」という章自体は省略して問題ありません。
Q2:指導教員と馬が合わず、あまり感謝していません。それでも謝辞は書くべきですか?
A2:個人的な感情に関わらず、形式的な謝辞を記載するのが学術界における標準的な大人の作法です。「指導教員の〇〇教授には、本論文の執筆にあたりご指導を賜りました」といった定型的な1〜2文を添えておくことで、無用なトラブルや審査時の心象悪化を防ぐことができます。
Q3:ゼミの先輩や同期、後輩の名前はどこまで書いて良いですか?
A3:実験の補助をしてくれた先輩や日常的に議論を交わした同期については、氏名を記載しても差し支えありません。人数が多い場合は「〇〇研究室の皆様」「同期の諸氏」とグループ名で総称するのがスマートです。また、過度にフランクな愛称や私的なエピソードは避け、研究活動上の協力に対する謝意にとどめてください。
Q4:謝辞部分だけ「です・ます調(敬体)」になっても減点されませんか?
A4:減点されません。学術論文の本文は原則として「である・だ調(常体)」で統一しますが、謝辞のパラグラフに関しては、指導教員や協力者への敬意を示すために「心より感謝申し上げます」「深謝いたします」といった敬体を用いるのが学術界の一般的な慣例となっています。
まとめ:マナーと論理性を両立させて最高の卒論を完成させよう
卒論の「おわりに」は、単なる文章の引き延ばしや感想文ではなく、自らが行った研究の価値を学術的な見取り図の中に位置づけ、支えてくれたコミュニティへ敬意を還元するための重要なパートです。
「研究の要約」「残された課題」「今後の展望」、そして「礼節ある謝辞」という4つの要素をバランスよく配置することで、論文全体の完成度は劇的に向上します。本稿で紹介したテンプレートやチェックリストを活用し、論理的整合性とマナーを兼ね備えた納得のいく卒業論文を完成させてください。 (出典: 卒論 終わり に(Yahoo!ニュース))