競輪117期が黄金世代と呼ばれる理由|山口拳矢ら注目選手の現在
日本競輪選手養成所(旧競輪学校)への名称変更、そして世界基準のトレーニング環境への大刷新を経てデビューした117期(2020年デビュー)。寺崎浩平と菊池岳仁による史上初の「早期卒業」という鮮烈な幕開けから年月が経過した現在、彼らは競輪界の勢力図を根底から塗り替え、「史上屈指の黄金世代」としての評価を揺るぎないものにしています。
日本選手権競輪(GI)を制しトップカテゴリーへ駆け上がった山口拳矢をはじめ、圧巻の先行力でファンを魅了する町田太我、ナショナルチーム仕込みのスピードを誇る寺崎浩平など、各地区の主力を担う逸材が揃っています。本稿では、117期がなぜこれほどまでに特別な存在となったのか、主要選手の現在の階級や成績、養成所改革の背景、そして車券攻略に直結するプロの分析まで徹底的に解き明かします。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:117期は養成所改革第1期生であり、史上初の早期卒業者(寺崎・菊池)を輩出した近代競輪の申し子。
- 要点2:山口拳矢のGI制覇、町田太我の記念連覇など、デビュー直後からトップ戦線(S級上位)へ定着し高い賞金水準を維持。
- 要点3:カーボンフレームや国際規格のトレーニングに順応した高い機動力により、従来のライン戦術に変革をもたらしている。
【2026年最新】競輪117期が「史上最強の黄金世代」と呼ばれる構造的理由
競輪界において「黄金世代」と呼ばれる期は過去にも存在しましたが、117期の台頭は単なるスター選手の偶然の集中ではありません。最大の要因は、日本競輪選手養成所の抜本的なカリキュラム改革にあります。
従来の「精神論や長時間乗り込み」を重視した昭和・平成型の育成方式から脱却し、ワットバイクや科学的パワーデータに基づくインターバルトレーニング、UCI(国際自転車競技連合)基準の指導法が本格導入されたのが117期でした。この育成システムの転換期に入所した選手たちは、デビューの瞬間からトップスピードの絶対値が従来の新人と比べて桁違いに高かったのです。
報道各社の取材データや関係者の証言によると、「117期以降、S級上位のスピード域に到達するまでの時間が劇的に短縮された」と語られています。その結果、従来の競輪で定石とされていた「若手はまず番手を回って経験を積む」というプロセスを飛び越え、自力主体の機動力でベテランS級選手をねじ伏せるレースが日常化しました。

注目選手たちの現在と成績一覧|山口拳矢・町田太我らの現在地
117期を語る上で欠かせないのが、全国各地で地区の看板を背負う実力者たちの存在です。競輪117期 注目選手の現況と残してきた実績を整理します。
山口拳矢(愛知):ダービー王へと駆け上がった天才肌の機動型
父に元トップレーサーの山口幸二氏を持つ山口拳矢は、デビュー直後から非凡なレースセンスを発揮。平塚競輪場で行われた2023年の第77回日本選手権競輪(GI)において、デビューから史上最速タイとなる驚異的なスピードでGI初制覇を成し遂げました。抜群のダッシュ力と捲りのキレ、勝負どころを見極める位置取りの巧さはS級トップクラスであり、中部地区の絶対的エースとして競輪117期 賞金ランキングでも常に上位に君臨しています。
町田太我(広島):圧巻の在校1位、徹底先行を貫くハイパワーレーサー
競輪117期 在校成績1位の実績を引っ提げてプロ入りした町田太我は、風を切る徹底先行で全国のファンから絶大な支持を集めています。早い段階からGIII(記念競輪)を制覇し、中国地区の先行巨頭としてラインを牽引。どんな相手であっても主導権を譲らない潔いレーススタイルは、車券の軸としても高い信頼を得ています。
阿部将大(大分):卓越した展開力と切れ味鋭いタテ脚
阿部将大は別府記念(GIII)を制するなど、九州地区を代表する若手実力派として定着。町田のような機関車型の先行とは異なり、捲りや好位立ち回りを含めた総合力の高さが武器で、混戦になればなるほど強さを発揮する勝負強さを誇ります。
| 選手名(登録地) | 養成所実績 | 現在の主な階級・実績 | 脚質・レーススタイルの特徴 |
|---|---|---|---|
| 山口 拳矢(愛知) | 在校成績2位(37勝) | S級1班 / 日本選手権(GI)制覇、S班経験 | 瞬発的なダッシュ力と捲り、競り勝つ勝負勘 |
| 町田 太我(広島) | 在校成績1位(50勝) | S級1班 / GIII記念競輪複数回優勝 | 超抜の持久力による突っ張り先行・逃げ |
| 寺崎 浩平(福井) | 早期卒業(ゴールデンキャップ) | S級1班 / GI決勝常連、ナショナルチーム | 世界規格のトップスピードとロングスパート |
| 菊池 岳仁(長野) | 早期卒業(ゴールデンキャップ) | S級1班 / ヤンググランプリ出走、記念決勝常連 | 関東を背負う重厚な先行力と積極性 |
| 阿部 将大(大分) | 在校成績上位 | S級1班 / GIII記念競輪優勝 | 自在性のある立ち回りと強烈な捲り脚 |
| 青野 スギ(神奈川) | 卒記チャンピオン | S級1班 / 南関東地区の先行主力 | 南関ラインの先頭を担う力強い先行力 |
※なお、養成所時代の最終関門である競輪117期 卒記チャンピオンに輝いたのは神奈川の青野スギ選手です。青野選手も南関東の主力を担う先行屋としてS級で活躍を続けており、117期の層の厚さを象徴しています。
衝撃を与えた「早期卒業」の寺崎浩平と菊池岳仁|養成所改革がもたらした革命
117期を歴史的な期として決定づけたのが、日本競輪選手養成所において新設された「早期卒業制度」の適用でした。その第1号となったのが、寺崎浩平と菊池岳仁の2名です。
早期卒業の条件は極めて厳格で、記録会において国際基準の基準タイムをクリアし、ゴールデンキャップ(能力評価で最高基準を獲得した証)を獲得した上で、学術・生活態度ともに最高水準であることが求められます。2人は2020年1月に同期より約半年早くプロデビューを果たし、破竹の連勝街道を突き進みました。
特に寺崎浩平は、デビューから無敗でS級特昇を果たすなど異次元のパフォーマンスを披露。自転車競技日本ナショナルチームの一員としても世界で戦い、その脚力は国内のGI戦線でも大きな脅威となり続けています。菊池岳仁もまた、スピード偏重になりがちな若手の中で「徹底した主導権主張」を貫き、関東ラインの強固な先頭役として重宝される存在へ成長しました。
【実態検証】車券戦術とファン心理|117期が競輪界のパワーバランスを変えたリアル
競輪ファンや現場の車券購入者の間で、117期の登場はどのような変化をもたらしたのでしょうか。SNSや競輪コミュニティ、現地ファンの生の声を分析すると、評価は「圧倒的な信頼感」と「独特の難しさ」に二分されています。
「町田太我が走るときは、前受けから突っ張るのが分かっているからラインで買いやすい」「山口拳矢の捲りは別線がどれだけ警戒していても次元が違う」といった肯定的な評価が多く見られます。一方で、従来の競輪ファンからは「番手を回るベテランが付いていけず、ラインがちぎれて単騎のような決着になり高配当が出る」という現場特有の現象も指摘されています。
スピードが極限まで上がった現代競輪では、先頭を走る117期の出力が高すぎるあまり、追走するマーク選手が離れてしまう「千切れ(ちぎれ)」が頻発。これにより、従来の「ラインワンツー(先頭と番手で決まる車券)」だけでなく、「若手の突き抜け+別線の捲り追い込み」という変則的な車券組み立てが有効な戦術として定着しました。
一般に知られていない盲点とネットの誤解
ネット上の掲示板やSNSでは、117期に関して一部の誤解や極端な言説も見受けられます。客観的なデータに基づいて真相を整理します。
誤解1:「早期卒業組以外は地味だった」という誤認
寺崎・菊池の早期卒業が大きく報じられたため、「残りの本隊組はワンランク落ちるのではないか」とデビュー当初は一部で噂されました。しかし、蓋を開けてみれば本隊組から山口拳矢というGI覇者が誕生し、町田太我や阿部将大、石原颯、伊藤旭といった記念級レーサーが続出。結果として本隊組も含めた全体のポテンシャルが歴代最高水準であったことが証明されています。
誤解2:「スピードはあるがライン戦ができない」という風評
「養成所で個人練習ばかりしているからラインの結束力が弱い」という批判が初期にありました。しかし現在では、町田太我や菊池岳仁、青野スギらのように「後ろの先輩のために死力を尽くして駆ける」本格派の先行職人が多数定着しており、各地区の重鎮ベテラン選手からも絶大な信頼を獲得しています。
【プロの結論】117期を狙うべきレース・見送るべきレースの判断基準
117期の実力は誰もが認めるものですが、車券戦略として常に彼らを本命視することが正解とは限りません。回収率を高めるための具体的な判断基準を提示します。
117期選手を「積極的に本命視すべき」条件
- 自力型の選手同士でラインが短小(2車など)の場合:後位の追走を気にせず、持ち前のトップスピードをフルに活かせるため勝率が跳ね上がります。
- 競走得点で抜けている町田太我などの主導権が確実なレース:突っ張り先行で別線を完封するパターンが多く、堅実な軸として機能します。
- 333m(小田原・松戸・伊東など)の短走路:スピードの立ち上がりが速い117期のダッシュ力が最大限に活きる舞台です。
117期選手を「疑う・見送るべき」条件
- 百戦錬磨のベテラン先行が複数いる激しい競り合いの展開:スピード勝負ではなく泥臭い位置取りやブロック合戦になった際、経験値の差で不発に終わるケースがあります。
- 番手選手との力量差が開きすぎているレース:先行しても番手が千切られ、別線に捲られやすくなる構造的リスクが存在します。
【117 期 競輪】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:117期の「早期卒業」とは具体的にどのような制度ですか?
A1:従来の養成所(約1年間の在籍)とは異なり、高い能力評価基準(ゴールデンキャップ獲得など)と国際基準のタイムをクリアした候補生が、通常より約半年早くデビューできる制度です。117期の寺崎浩平選手と菊池岳仁選手が史上初の適用者となりました。
Q2:117期で最初にGIタイトルを獲得したのは誰ですか?
A2:山口拳矢選手です。2023年5月に平塚競輪場で開催された「第77回日本選手権競輪(GI)」を制覇し、父・山口幸二氏との史上初となる父子ダービー制覇を達成しました。
Q3:117期の卒業記念レース(卒記)の優勝者は誰ですか?
A3:神奈川支部の青野スギ選手です。青野選手は卒記チャンピオンに輝いた後、プロ入り後も南関東地区を代表する先行選手としてS級で活躍しています。
まとめ:競輪界の主軸へ定着した117期が拓く新時代
日本競輪選手養成所の新カリキュラムから生まれた117期は、早期卒業制度の開拓、山口拳矢による史上最速級のGI制覇、町田太我の徹底先行など、競輪界に新たなスタンダードを打ち立ててきました。
彼らがもたらした「圧倒的なスピードと科学的トレーニングに裏打ちされた機動力」は、後続の119期・121期・123期以降の若手選手たちにも多大な影響を与えています。単なる有望株の枠を超え、いまや競輪界の屋台骨となった117期戦士たち。彼らが見せるスピード感あふれるレース展開と、ラインのドラマから今後も目が離せません。 (出典: 117 期 競輪(Yahoo!ニュース))