卓球の審判ルール完全解説!コール・反則基準からスコア記入まで
オープン大会や市民大会、部活動の公式戦に出場すると、誰もが必ず直面するのが「相互審判(敗者審判)」の役割です。普段はプレーに集中している選手であっても、いざ主審席に座ると「得点コールの順番はどうだったか」「今のサーブはフォルト(反則)を取るべきか」「スコアシートの書き方が分からない」と冷や汗をかいた経験があるのではないでしょうか。
卓球は球速が極めて速く、わずか数ミリの軌道やコンマ数秒の動作で判定が分かれる精密なスポーツです。審判の判定一つが試合の流れを左右し、選手同士のトラブルにつながるケースも少なくありません。本稿では、主審・副審の役割分担から、現場でそのまま使えるコール一覧、ハンドシグナル、サーブ違反やエッジボールの厳格な判定基準、最新のルール改定、スコアシートの記入実務まで、現場の一次情報と公式規定に基づき徹底的に解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:得点コールは「次にサーブを打つ選手のスコア」を先に発声し、主審は得点側へ明確に手を挙げるハンドシグナルを徹底する。
- 要点2:トスの高さ16cm以上やハイド(体での隠蔽)禁止などサービス反則基準を把握し、エッジとサイドの境界線を正確に見極める。
- 要点3:タイムアウト(各1回・1分以内)や最終ゲーム5点でのチェンジエンド、警告(イエロー/レッド)の段階的ペナルティを理解すればトラブルを未然に防げる。
【初心者必見】卓球の審判ルール基礎|主審・副審の役割と基本動作
日本卓球協会(JTTA)および国際卓球連盟(ITTF)の公式競技ルールにおいて、審判員は試合を円滑かつ公平に進行させる最高責任者として位置づけられています。一般的な公式大会では主審(アンパイア)と副審(アシスタントアンパイア)の2名体制、または主審1名体制で行われます。
主審と副審では担当する領域が明確に分かれており、それぞれの職務を正しく把握することがミスのない試合運営の第一歩となります。
主審と副審の役割分担
- 主審(Umpire):試合全体の最高決定権を持ちます。試合開始前のコイントス(ジャンケン)、ラケット検査、得点コールの発声、ハンドシグナル、サービス違反や反則打球の判定、ゲーム・マッチの宣告、スコアシートへの最終記録を行います。
- 副審(Assistant Umpire):主審の対面に位置し、主に主審の死角をカバーします。ネットインやサーブ時のレット判定、副審側のエッジボール判定、タイムアウトの計時(ストップウォッチ管理)、スコアボード(めくり板)の操作を担当します。
草の根大会などで審判が1名のみの場合、主審が副審の役割(レットのコールやスコアボードめくり)も兼任します。その際も、コールとジェスチャーを省略せず、両陣営の選手および観客に判定が明確に伝わるよう堂々と振る舞う姿勢が求められます。

現場で迷わない!卓球審判コール一覧&ハンドシグナル完全ガイド
審判席に座った際、最も頻繁に行う動作が得点のコールとハンドシグナルです。ここが曖昧だと選手がスコアを勘違いし、試合のテンポが乱れてしまいます。基本原則は「スコアは常に、次のサーバー(サーブを打つ選手)の得点を先に言う」ことです。
| 状況・場面 | 正式コール(日本語 / 英語) | ハンドシグナル(主審の動作) | 判定のポイント・注意点 |
|---|---|---|---|
| 試合開始時 | 「ラブオール、プレー」 (Love all, Play) | サーバー側を手で示し、プレー開始を促す | 両選手が準備完了したことを確認してからコール |
| 得点が入った時 | 「1-0(ワン・ゼロ)」 「3-2(スリー・ツー)」 | 得点した側の腕を肘から軽く曲げて垂直に挙げる | 次のサーバーの点数を先にコール(同点は「3オール」等) |
| サーブのネットイン等 | 「レット」 (Let) | 片手を頭上にまっすぐ高く挙げる | やり直しの合図。声と同時に素早く手を挙げる |
| サーブ権交代時 | 「チェンジサービス」 (Change Service) | 新たにサーバーとなる選手側の腕を挙げて示す | 2本交代ごと、デュース後は1本交代ごとに実施 |
| 10-10(同点) | 「デュース」 (Deuce) | 得点した側の手を挙げた後、デュースを明告 | 以降は2点差がつくまで1本交代でサーブ権が移動 |
| ゲームが決まった時 | 「ゲーム」 (Game to 〇〇, 11-8) | 勝者の側を手で指し示す | 「ゲーム、佐藤、11-8」のように勝者名と最終スコアを宣告 |
国際大会や国内トップリーグでは英語コールが主流ですが、地域大会や中高生の大会では日本語コール(「1対0」「チェンジサービス」「ゲームアンドマッチ」等)でも全く問題ありません。大切なのは、「はっきりとした声量」と「迷いのないハンドシグナル」で選手に意思を伝えることです。
反則・トラブル判定の境界線|サービス違反・エッジボール・レットの基準
審判を務める中で最も神経を使うのが、微妙なプレーに対する判定です。ルールブックに明記されている厳格な基準を知っておくことで、自信を持ってジャッジを下すことができます。
1. サービス違反(フォルト)の5大要件
現代卓球においてサーブの不正は厳しく取り締まられます。以下のいずれかに抵触した場合、主審は警告(または即座にフォルト=相手の得点)を取る権限を持ちます。
- 手のひらが平らでない(パームフラット違反):指の上に乗せて回転をかけたり、握り込んだ状態からトスを上げてはならない。手のひらを完全に開いて静止した状態からスタートする。
- トスの高さが16cm未満:手のひらから垂直にほぼ真っ直ぐ16cm以上投げ上げなければならない。手の中で転がすような低空サーブは違反。
- 斜めトス(内側への引き込み):垂直から過度に傾いた角度(おおむね45度以上など)でトスを上げる行為。
- 体や服でボールを隠す(ハイド違反):トスを上げてからインパクトする瞬間まで、ボールとネットの間の空間をフリーアーム(ラケットを持っていない腕)や胴体で遮ってはならない。打球時にはフリーアームを即座にボールとネットの間から引く必要がある。
- エンドラインの内側・台の下でのインパクト:サービスは常に卓球台のエンドラインより外側、かつ卓球台の上面より高い位置でインパクトしなければならない。
2. エッジボール判定とサイドボール判定の決定的な違い
卓球台の端にボールが当たった際、イン(有効)かアウト(無効)かで揉めやすい場面です。判定基準は「上面に触れたかどうか」の一点に尽きます。
- エッジボール(イン・有効打球):卓球台の「上面の角(エッジ)」にかすって当たった場合。ボールが上方に跳ねたり、軌道が明らかに天面を捉えている場合は有効で、プレーは続行されます。
- サイドボール(アウト・失点):卓球台の「側面(サイドの垂直面)」に直接当たった場合。ボールが真下へ落ちたり、明らかに側面を叩いた音・軌道の場合はアウトとなり、打球した選手の失点となります。
3. レット判定基準(ノーカウント・やり直し)
プレーが中断され、得点にならずやり直しとなる「レット」は以下のケースで適用されます。
- サービスがネット、サポート、ネットの金具に触れて相手コートに入ったとき(ネットイン)。
- レシーバーが構えておらず、返球しようとする意思を示さない状態でサーブが出されたとき(ただし、レシーバーがラケットを振って返球しようとした場合は構えていたとみなされる)。
- 隣のコートからピン球が転がり込んできた、照明が消えたなど、不測の妨害が生じたとき。
- 審判がサービスの疑義や競技環境の乱れを理由にプレーを中断させたとき。
4. タイムアウトルールとチェンジエンドのタイミング
- タイムアウト:各マッチ(1試合)につき、選手または監督は「1回のみ・最大1分間」のタイムアウトを要求できます。要求はラリー間の静止中に行い、主審は両手で「T」の字を作ってタイムアウトを宣告します。時計で正確に1分を計測し、選手が早めに戻った場合はその時点で再開します。
- チェンジエンド(コート交代):各ゲーム終了ごとにエンドを交代します(インターバルは最大1分)。マッチの最終ゲーム(5ゲームマッチなら第5ゲーム、7ゲームマッチなら第7ゲーム)においては、いずれかの選手が先に「5点」に達した瞬間にプレーを止め、エンドを交代します。

警告とペナルティシステム|イエローカード基準と最新ルール改定詳細
試合中のマナー違反や遅延行為、用具破損に対しては、主審による段階的なペナルティシステムが規定されています。
イエローカード・レッドカードの基準と点数ペナルティ
卓球のカードシステムはサッカーと異なり、即退場だけでなく「相手への得点付与」という直接的なペナルティが発生します。
- 1回目の違反(イエローカード):台を蹴る、ラケットを投げる、大声で暴言を吐く、露骨な時間稼ぎなどの非紳士的行為に対し、主審はイエローカード(警告)を提示します。点数の変動はありません。
- 2回目の違反(イエロー+レッドカード同時提示):同一マッチ内で再び違反行為があった場合、主審はイエローカードとレッドカードを同時に提示し、相手選手に1点を与えます。
- 3回目の違反(イエロー+レッドカード同時提示):さらに違反が続いた場合、同様に両カードを提示し、相手選手に2点を与えます。
- 重大な違反・継続的悪質行為:審判長の判断(レフェリー召喚)により、マッチの没収(失格・レッドカード単独提示)となる場合があります。
知っておくべき最新ルール改定詳細
近年の競技環境変化に伴い、以下のルールが世界標準として完全に定着しています。
- カラーラバーの完全定着:片面は黒、もう片面は赤に加えて「ブルー、ピンク、グリーン、パープル」の使用が公認されています。主審は試合前のラケット検査時に公認マーク(JTTA/ITTFロゴ)と厚み(ラバー総厚4.0mm以内)を確認します。
- アドバイス(ベンチコーチング)規定の明確化:ゲーム間の休憩時だけでなく、ラリーとラリーの合間であれば、プレーを遅延させない範囲でベンチから短いアドバイスを送ることが認められています(ただしラリー中の声掛けは厳禁)。
- TTR(テーブルテニス・レビュー=ビデオ判定)の進展:国際大会トップレベルではエッジやサービスのエッジ判定にTTRが導入されていますが、一般大会では主審と副審の目視判定が絶対的な最終決定権を持ちます。
【実務編】卓球スコアシートの正しい書き方とミスを防ぐ記入手順
大会運営を滞りなく進めるために不可欠なのがスコアシート(記録用紙)の正確な記入です。大会本部へ提出する公式記録となるため、記入漏れや計算ミスは絶対に避けなければなりません。
| 記入ステップ | 具体的な記入内容・方法 | 書き間違え防止のチェック事項 |
|---|---|---|
| 1. 試合前準備 | 対戦カード、台番号、選手名(フルネーム・所属)、第1ゲームのサーバーに「S」、レシーバーに「R」を記入。 | コイントス(ジャンケン)勝者がサーブかエンドのどちらを選択したか明確に記録する。 |
| 2. ゲーム進行中 | 得点が入るごとに該当選手のマス目に斜線「/」または数字を書き進める。2本ごとのサーブ権交代を枠線や印で追う。 | 得点板(めくり板)の表示と手元のスコアシートの数字が完全一致しているか毎ラリー確認。 |
| 3. タイムアウト時 | タイムアウトを取った選手側の「T/O」欄に、その時点のスコア(例:第3ゲーム 7-8)を記入。 | 既にタイムアウトを行使したかどうか、両選手分を二重行使しないよう管理。 |
| 4. 試合終了後 | 各ゲームの最終スコアを合計欄に転記し、勝者欄に名前を記入。勝者・敗者両選手の確認サインをもらい、審判署名を行う。 | 勝敗の逆転記入がないか両選手にスコアを読み上げて最終確認する。 |

卓球審判資格の取得方法とステップアップ|現場目線で見えたリアル
地域大会や学校対抗戦を越えて、全国規模の大会やTリーグなどのトップシーンで本格的に審判を務めるには、日本卓球協会(JTTA)が認定する公認審判資格の取得が必要です。
公認審判員資格の4段階ピラミッド
- 準公認審判員:審判の入門資格。都道府県卓球連盟が主催する講習会を受講(ルール講義と実技指導、筆記試験)することで比較的容易に取得可能。中高生のリーダーや指導者向け。
- 公認審判員:都道府県レベルの主要大会で主審・副審を務める資格。準公認取得後または連盟の指定講習を受講し、実技評価を経て取得。
- 上級公認審判員:全日本卓球選手権大会など全国大会で主審を務めるプロフェッショナル資格。公認審判員としての一定の実務実績と推薦、高度な筆記・実技試験の合格が必要。
- 国際審判員(International Umpire / IU):ITTF主催の世界選手権、オリンピック、WTT大会等でジャッジを下す世界最高峰の資格。英語での試験および厳しい国際評価基準が課されます。
【実態検証】初めての審判で初心者が陥りがちなミスと現場のリアル
市民大会やオープン戦の現場において、審判初心者が起こしやすいトラブルの上位には明確な傾向があります。知恵袋やSNSなどの競技者コミュニティでも、以下のようなリアルな失敗談が頻繁に共有されています。
- スコアコールの「逆言い」:レシーバー側の点数を先に言ってしまい、選手から「今どちらのサーブですか?」と指摘されて混乱するケース。
- 最終ゲームのチェンジエンド失念:5点先取時のコート交代を忘れ、6点や7点まで進行してから気づいて慌てるケース(※気づいた時点で即座にエンド交代し、得点は有効のまま再開するのが正しい処置)。
- 微妙なエッジへの無言:サイドかエッジか判断に迷い、主審がコールを止めてしまい選手同士の言い争いに発展するケース。
【プロの結論】審判として信頼される人・トラブルを招きやすい人の判断基準
審判という職務において、最も重要なのは「100%完璧な視力」ではなく、「毅然とした決断力と明確なコミュニケーション」です。
【信頼される審判の特徴】
ミスジャッジを恐れず、打球の瞬間に瞬時に大きな声でコールとハンドシグナルを出せる人。微妙な判定で選手から質問を受けた際も、感情的にならず「私の位置からはサイドに当たったと確認しました」と事実ベースで落ち着いて説明できる人は、両陣営から深い信頼を得られます。
【トラブルを招きやすい審判の特徴】
声が小さくハンドシグナルを出さない人、選手が不満そうな表情を浮かべた途端に判定をグラつかせる人です。審判が自信なさげにしていると、プレーヤーは試合に集中できなくなります。判定に疑義が生じたとしても、一度下した判定は自ら覆さず、ルールに則って公平に進行するメンタリティこそが最良のジャッジを生み出します。
【卓球 ルール 審判】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:主審をするとき、点数のコールはどちらの選手のスコアを先に言えばいいですか?
A1:常に「次にサーブを打つ選手(サーバー)の得点」を先にコールします。例えば、A選手がサーブを打つ順番で、スコアがA選手3点・B選手5点であれば、「3-5(スリー・ファイブ)」と発声します。サーブ権が交代してB選手のサーブになれば「5-3(ファイブ・スリー)」と順番が入れ替わります。
Q2:サービスがネットに当たって相手コートに入った時(レット)、審判はどうコール・ジェスチャーをしますか?
A2:即座に大きな声で「レット」と宣告し、片手を頭上にまっすぐ高く挙げます。副審がいる場合は副審も同様に手を挙げます。ラリーを止め、得点にはカウントせず、同じサーバーからサーブをやり直させます。
Q3:卓球の審判資格を持っていなくても、一般の大会で審判をして大丈夫ですか?
A3:全く問題ありません。地域のオープン大会や市民大会、学生の予選会などでは「敗者審判制(負けた選手が次の試合の審判を行う)」が広く採用されています。基本のコール、ハンドシグナル、スコアシートの書き方さえ押さえておけば誰でも務めることができます。
Q4:最終ゲームでチェンジエンド(5点でのコート交代)を忘れ、そのまま試合が進んでしまったらどう対処すべきですか?
A4:審判や選手がチェンジエンドの失念に気づいた時点で、直ちにプレーを中断し、エンドを交代させます。それまでに獲得した得点はすべて有効となり、そのままのスコアで試合を再開します。過去の得点をやり直す必要はありません。
Q5:選手の手や指にボールが当たって相手コートに入った場合、反則になりますか?
A5:ラケットを持っている手(リストから先、手首より先の指や手の甲)にボールが当たって返球された場合は「イン(有効な返球)」とみなされます。故意に2度打ちした場合はフォルトですが、1回のスイングの中でラケットと指に同時に当たって返球された場合は合法打球となります。一方、ラケットを持っていないフリーハンドにボールが当たった場合は失点となります。
まとめ:自信を持ってジャッジするための心構えと実践ステップ
卓球の審判は、決して選手を監視して罰を与える役職ではありません。選手が全力を尽くして最高のパフォーマンスを発揮できるよう、競技環境を整えてゲームをスムーズにエスコートする「試合のファシリテーター」です。
最初は誰もが得点コールやスコアシートの記入に緊張するものですが、「次にサーブを打つ人の点数を先に言う」「大きな声と明確なハンドシグナルを意識する」という基本原則を守るだけで、判定のブレやトラブルは劇的に減少します。本稿で紹介したコール一覧や判定基準を試合前のチェックリストとして活用し、自信を持って審判席に臨んでください。 (出典: 卓球 ルール 審判(Yahoo!ニュース))