VVFケーブルの剥き方完全ガイド!芯線を傷つけないプロの裏技と工具別手順
DIYでのコンセント増設から第二種電気工事士の技能試験まで、電気配線作業の第一歩として必ず立ちはだかるのが「VVFケーブルの被覆剥き(皮むき)」です。一見すると単純な作業に思えますが、外側の灰色のシース(外装被覆)や芯線を覆う絶縁被覆を剥く際に、「芯線にカッターの刃が当たって傷をつけてしまった」「寸法通りに剥けず器具に収まらない」といったトラブルに悩む初心者は少なくありません。
VVFケーブルの皮むきで最も重要なポイントは、内部の銅芯線に一切の傷をつけず、作業ごとの指定寸法通りに素早く処理することです。芯線に入ったわずかな傷は、将来的な断線や発熱事故の原因となるだけでなく、電気工事士試験では即座に減点・欠陥判定の対象となります。今回は、現場のプロが実践する芯線を絶対に傷つけないテクニックから、ホーザン製をはじめとするストリッパーの使い方、電工ナイフやニッパーを用いた実践手順まで徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:芯線を傷つけない極意は「刃で被覆を完全に切断せず、浅い切れ目を入れて引きちぎる感覚」で剥くこと。
- 要点2:第二種電気工事士技能試験対策やDIY作業では、測定・切断・被覆剥きが一体化したホーザン(HOZAN)P-958などのVVFストリッパー活用が最短ルート。
- 要点3:接続する配線器具ごとに規定のシース外装剥ぎ取り寸法(50mm〜100mm)と絶縁被覆剥ぎ取り寸法(10mm〜20mm)を正確に管理することが施工不良を防ぐ最大のカギ。
【超基本】VVFケーブルの構造と2心・3心による剥き方の違い
適切な皮むきを行うためには、まずVVFケーブル(600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平形)の内部構造を正確に把握しておく必要があります。VVFケーブルは外側から順に、全体を保護する平たい「シース(外装被覆)」、各導線を絶縁する「絶縁被覆」、そして電気を流す中心部の「導体(銅芯線)」という3層構造で成り立っています。
一般住宅の屋内配線や技能試験で多用されるのは、芯線径1.6mmおよび2.0mmのサイズです。さらに、内部に収まる芯線の本数によって「2心(黒・白)」と「3心(黒・白・赤)」に分かれます。
作業難易度において、2心と3心には明確な違いが存在します。2心は断面が楕円形に近いフラットな形状をしているため、外装シースに刃を入れる際の力加減が比較的均等に伝わります。一方、3心は幅が広く中央の白線部分が両端の線に挟まれているため、ストリッパーの刃を当てる際に中心がズレやすく、片側の絶縁被覆を誤って噛んでしまうリスクが高まります。3心の皮むきを行う際は、ケーブルを工具のガイドに対して完全に直角にセットすることがブレを防ぐ基本です。
【プロ直伝】芯線を絶対に傷つけない!皮むき失敗を防ぐ3つの鉄則
電工作業において最も恐れるべき事態は、芯線に切り込み(傷)を入れてしまうことです。銅芯線に刃物の傷が入ると、ケーブルを折り曲げた際にそこから金属疲労を起こして折損したり、電流が集中して異常発熱を引き起こしたりします。プロが現場で行っている「芯線を傷つけずに被覆を剥く鉄則」は以下の3点に集約されます。
第1の鉄則は、「被覆は刃で切るのではなく、亀裂を入れて引っ張り抜く」という意識を持つことです。シースや絶縁被覆の厚みのうち、刃を入れるのは外側の7割から8割程度にとどめます。刃を軽く食い込ませた状態で工具を外側へ押し出すと、樹脂の伸縮性によって残りの部分が自然に裂け、芯線に刃先が直接触れることなくスルリと抜けます。
第2の鉄則は、ケーブルを無理にねじりながら引き抜かないことです。力任せに被覆をねじると、内部で芯線同士が擦れ合ったり、工具の刃先が芯線に食い込んだりします。工具を握り込んだら、刃の背面に親指を当てて進行方向へストレートにスライドさせる動作を徹底してください。
第3の鉄則は、作業環境の温度に応じた力加減の調整です。ビニル樹脂は気温が低い冬季に硬化し、夏季には柔らかくなる特性があります。特に冬場の寒い部屋で作業する場合、被覆が硬く切れにくいため、無理に力を込めすぎて芯線まで刃を到達させてしまいがちです。室温を温めるか、手でケーブルを少し揉んでから作業するだけでも失敗のリスクを大幅に低減できます。
【工具別】ホーザンP-958などVVFストリッパーの使い方とおすすめ比較
現在、VVFケーブルの皮むきにおいて業界標準となっているのが専用の「VVFストリッパー」です。一般的なワイヤーストリッパーと異なり、平形ケーブルのシース外装と芯線の絶縁被覆をサイズ別(1.6mm×2心/3心、2.0mm×2心/3心)にワンアクションで剥ける専用刃が配置されています。
なかでも第二種電気工事士の実技試験を受験する層から圧倒的な支持を集めているのが、ホーザン(HOZAN)の「P-958」です。先端にケーブル切断刃、中間部に被覆剥き刃、さらに本体側面にミリ単位の目盛スケールが刻まれており、メジャーを持ち替えることなく寸法測定からストリップまでを一連の流れるような動作で完結できます。
ストリッパーを使った具体的な被覆剥ぎ取り手順は以下の通りです。
まずはシース外装の剥ぎ取りです。本体の目盛に合わせて剥ぎ取りたい長さ(器具接続用であれば通常80mm〜100mm程度)を測り、該当するサイズスロット(例:1.6×2芯)にケーブルを挟みます。工具のハンドルを「カチッ」と音がするまでしっかり握り込んだら、反対側の手でケーブルを固定し、ストリッパーを握った手の親指で刃を押し出すようにして外装を引き抜きます。
続いて芯線の絶縁被覆剥ぎ取りです。露出した芯線の先端から必要な長さ(通常12mm〜20mm)を測定し、芯線被覆用のスロットにセットします。2心であれば2本同時に、3心であれば2本と1本に分けるか慣れれば3本一括で挟み込み、軽く握って前方に押し出せば、芯線に傷一つ残さず綺麗な導体が露出します。
機械的に一定の深さまでしか刃が入らない機構になっているため、初心者が短期間でスピードと正確性を身につけるための最適な選択肢と言えます。
【電工ナイフ&ニッパー】現場で役立つ手動での被覆剥きテクニック
専用ストリッパーが手元にない場合や、狭小スペースでの配線、あるいは電気工事の伝統的な技術を習得する上で欠かせないのが「電工ナイフ」および「ニッパー」を用いた手法です。
電工ナイフを使って外装シースを剥く際は、「鉛筆削りの要領」で刃を寝かせることが基本中の基本です。ケーブルに対してナイフの刃を直角に当てると、一瞬で内部の絶縁被覆を切り裂いてしまいます。刃を寝かせてシースの表面を薄く削ぎ落とすように切り込みを入れ、親指でナイフの背を押しながら前方へ滑らせます。ある程度切り込みが入ったら、切れ目から手でシースを左右に裂き、根元部分をナイフで丁寧に切り落とします。
絶縁被覆をナイフで剥く際も同様に、芯線に対して刃を斜め約30度に当て、芯線の表面を滑らせるようにして被覆を削り取ります。芯線が見えたら指で被覆をつまんで引っ張ると綺麗に抜けます。
一方、ニッパーを使った被覆剥きは、緊急時や配線加工の現場で頻繁に使われる応用技です。ニッパーの刃先で被覆の周囲に「軽く甘噛み」するように浅い凹みを一周つけ、ニッパーの側面を支点にしてテコの原理で被覆を押し出します。ニッパーは構造上、力を入れすぎると芯線を容易に切断してしまうため、「刃で切るのではなく、刃の角を引っ掛けて押し出す」繊細な力コントロールが求められます。
【実技試験対策】第二種電気工事士で落とされないシース剥ぎ取り寸法と器具接続手順
第二種電気工事士の技能試験において、ケーブルの皮むき精度は合否に直結する最重要要素です。欠陥基準では、「導体の傷つき」「絶縁被覆の噛み込み」「心線の露出過大・過小」が厳格にチェックされます。これらを防ぐためには、各配線器具への接続手順と適切な剥ぎ取り寸法をパターン化して体で覚える必要があります。
代表的な配線器具ごとの標準寸法目安は以下の通りです。
【ランプレセプタクル・露出型コンセント(のの字曲げ接続)】
シース外装剥ぎ取り:約50mm
絶縁被覆剥ぎ取り:約20mm
芯線をペンチの先端で時計回りに丸める「のの字曲げ」を行うため、絶縁被覆は長めの20mmを剥きます。ネジの頭から心線が外側に飛び出さず、かつ絶縁被覆をネジで噛み込まない絶妙なバランスを維持します。
【埋込連用取付枠(スイッチ・コンセントへの差込接続)】
シース外装剥ぎ取り:約80mm〜100mm
絶縁被覆剥ぎ取り:約10mm〜12mm(器具裏面のストリップゲージ通り)
枠内に複数の器具を取り付ける場合、器具間の渡り線を通すスペースを確保するため、シースは長めの100mm剥ぎ取ります。芯線の被覆は器具裏面のゲージに当てて10mm〜12mmを厳密に管理し、差し込んだ際に外から芯線が見えない状態を作ります。
【差込形コネクタ・リングスリーブ接続】
差込形コネクタ:絶縁被覆剥ぎ取り 約12mm
リングスリーブ(圧着接続):絶縁被覆剥ぎ取り 約20mm
スリーブ圧着時は、圧着マークの上側から芯線が数ミリ突出し、下側の絶縁被覆との間に適度な隙間(1mm〜3mm程度)が空いている状態が理想的な施工品質です。
【VVFケーブルの剥き方】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:外装シースを剥くときに中の絶縁被覆まで切れてしまいます。どうすればいいですか?
A1:ストリッパーのサイズ選択ミス(例:2.0mm用スロットで1.6mmを剥いている、またはその逆)か、工具を斜めに握り込んで刃先が偏って食い込んでいることが主な原因です。まずはケーブルの刻印(1.6mmか2.0mmか)を再確認し、刃に対してケーブルが完全に垂直に入っているかを意識してハンドルを握り込んでください。
Q2:第二種電気工事士の実技試験では、電工ナイフとストリッパーのどちらを使うべきですか?
A2:圧倒的に専用VVFストリッパーの使用を推奨します。試験時間は40分間と非常に短いため、電工ナイフのみで施工すると皮むきだけで大幅な時間を消費してしまいます。ストリッパーを使えば皮むき時間を半分以下に短縮でき、余った時間を寸法確認や重大欠陥の見直しに充てることができます。
Q3:芯線に爪が引っかかる程度のうっすらとした筋傷がつきました。試験では欠陥(不合格)になりますか?
A3:電気技術者試験センターの判定基準では、芯線の断面積が著しく減少するような「深さのある削れ傷」や「全周にわたる切り込み」は欠陥となります。光の加減で見える程度の軽微な表面擦れであれば許容されるケースもありますが、傷が深い場合は迷わずその部分を切り落とし、寸法規定の許容範囲内(仕上がり寸法の±50%以内)で剥き直すのが安全策です。
まとめ:正しい皮むき技術の習得が確実な施工と試験合格への最短ルート
VVFケーブルの被覆剥きは、電気工事におけるあらゆる作業の基礎となる工程です。芯線を一切傷つけない感覚を養うためには、工具の構造を正しく理解し、「刃の切れ味に頼りすぎず、樹脂の裂け目を利用して抜く」というプロの身体感覚を身につけることが欠かせません。
高機能なVVFストリッパーを活用して作業スピードを最大化しつつ、万が一の現場対応や微調整に備えて電工ナイフの基礎技術を押さえておくことが、現場で信頼される確実な施工品質へとつながります。まずは端材ケーブルを使い、器具ごとの指定寸法にピタリと合わせる反復練習から始めてみてください。 (出典: vvf ケーブル 剥き 方(Yahoo!ニュース))