ゴルフの「ターフを取る」とは?プロが芝を削る理由と正しい打ち方・マナー徹底解説
ゴルフ中継やラウンド中に耳にする「ターフを取る」という言葉。プロゴルファーがアイアンショットを放った直後、グリーン周りやフェアウェイの芝が美しく宙を舞う光景に、憧れを抱くアマチュアゴルファーは多いはずです。
しかし、形だけ真似て地面を力任せに叩きつけると、手首を痛めたり単なる「大ダフリ」の原因になったりします。ターフを取るとはどういう現象なのか、なぜプロは芝を削るのか、その技術的背景とコース上で欠かせない重要マナーまで分かりやすく紐解いていきます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ターフを取るとは、ボールを打球した「後」にクラブヘッドが地面の芝を薄く削り取る現象のこと。
- 要点2:プロが芝を削るのは意図的な破壊ではなく、ハンドファーストによる正しいダウンブロー軌道の結果。
- 要点3:削り取ってできた窪み(ディボット跡)には、速やかに目土を入れてコースを修復するのが必須マナー。
【基礎知識】「ターフを取る」とはどういう意味?ディボットとの違いを整理
ゴルフにおける「ターフ(turf)」とは、もともと芝生や芝草そのものを指す英語です。プレー中に「ターフを取る」と言う場合、アイアンやウェッジでスイングした際にクラブフェースがボールを捉えた後、地表の芝の一部を薄く削り飛ばすことを意味します。
ここで多くの初心者が混同しやすいのが「ターフ」と「ディボット」の用語の違いです。
スイングによって削り取られて飛んでいった芝の塊そのものを「ターフ」と呼び、芝が削り取られてフェアウェイに残った窪み・穴のことをディボット(ディボット跡)と呼びます。海外では「ターフを削る=ディボットを作る(make a divot)」と表現されることも多く、日本では「ターフを取る」「ターフが飛ぶ」という言い回しが広く定着しています。
なぜプロは芝を削るのか?アイアンでターフが取れるメカニズム
テレビ中継で見かけるトッププロたちは、芝を削ろうと力んでスイングしているわけではありません。ターフが取れるのは、クラブヘッドが最下点を迎える手前でボールを直接捉える「ダウンブロー」の軌道で正しくスイングできている証拠です。
アイアンショットにおいて、クラブヘッドのスイング軌道の最下点は「ボールの置かれている位置」ではなく、「ボールよりも数センチ目標方向寄り(先)」に来るのが理想とされます。クリーンにボールとフェースが衝突した直後、ヘッドが地面の浅い層を潜り抜けるため、自然とボールの先の芝が削り取られるのです。
プロがこの打ち方を徹底する理由は明確です。ボールを直接ダウンブローで捉えることで、芝や小石などの余計な挟み込みを排除し、強烈なバックスピンと安定した飛距離性能を引き出せるからです。風に負けない強い弾道を打つためには、この軌道が不可欠となります。
初心者がやりがちな勘違い|「アイアンの打ち込み過ぎ」とダフりの決定的な差
ゴルフ初心者が「ターフを取ろう」と意識しすぎると、ほぼ確実にスコアを崩す罠に陥ります。その代表例が、ボールの上からクラブを極端に鋭角へ叩きつける「アイアンの打ち込み過ぎ」です。
上から力任せに打ち込むと、ヘッドの刃(リーディングエッジ)が地面に深く突き刺さり、深い穴を掘ってしまいます。これはボールの手前を叩く「ダフリ」と紙一重であり、ヘッドスピードが急激に減速して飛距離を大きくロスするだけでなく、手首や肘、肩に強い衝撃が加わり怪我の原因にもなりかねません。
正しいターフとミスの決定的な違いは、「削れる位置」にあります。ボールの手前の芝が削れている場合は完全なダフリであり、ボールがあった場所より先の芝が削れて初めて正しいインパクトと言えます。
プロのような「薄く長いターフ」を取るためのスイングのコツ
ツアープロが削り取る理想的なターフは、厚い肉塊のような形状ではなく、「薄く長いワラジのような形状」をしています。このような美しいターフを取るためには、以下の3つのポイントを押さえる必要があります。
第1に、ハンドファーストでのインパクトです。インパクトの瞬間に、クラブヘッドよりもグリップ(手元)がわずかに目標方向へ先行している状態を作ります。これによりロフト角が適度に立ち、ボールを捉えた後にヘッドが低く長く前へ抜けていきます。
第2に、スイング軸を保った体のターンです。すくい打ち(あおり打ち)になるゴルファーは、インパクト時に体重が右足に残る傾向があります。左足にしっかり体重を乗せ、体の回転を止めずにフォロースルーへと振り抜くことで、ヘッドの最下点が自然とボールの先へ移動します。
第3に、クラブのソール(バウンス)を滑らせる意識です。「地面を削る」のではなく「芝の根元を低く長く払う」イメージを持つと、ヘッドが潜り込みすぎず、ソールが地面を滑って薄く長いターフが取れるようになります。
コースの保護とエチケット|知っておくべきディボット跡と「目土」の重要マナー
ターフが綺麗に取れるようになると一人前のゴルファーに近づきますが、同時に絶対に怠ってはならないのが「目土(めつち)」のエチケットです。
芝が削り取られたディボット跡をそのまま放置すると、芝の再生に数ヶ月単位の時間がかかってしまいます。また、後続の組のプレーヤーがその窪みにボールを入れてしまうというトラブルにも直結します。ゴルファーがコースを愛し、守るための基本動作として以下の手順を徹底しましょう。
削れた跡を見つけたら、まずカートに常備されている「目土袋」とスコップを持参し、ディボット跡の窪みに砂を流し込みます。窪みが周囲の芝と同じ平らな高さになるまで砂を入れ、最後に足の裏で軽く踏み固めて平らに均します。もし飛び散ったターフが原型を留めている場合は、窪みに戻して上から砂をかぶせるのも効果的です。
【ターフを取るとは】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:フェアウェイウッドやユーティリティでもターフは取るべきですか?
A1:基本的にウッドやユーティリティは、芝を削らずに「払うように打つ(レベルブロー)」のが基本です。ソール幅が広いため、地面に突き刺さるようなターフを取る打ち方には適していません。ショートアイアンやウェッジほど明確にターフが取れ、番手が長くなるにつれてターフは薄く短くなるのが自然です。
Q2:打ちっぱなし練習場のマットでターフを取る練習はできますか?
A2:人工芝マットでは地面が削れないため直接ターフは取れませんが、ボールの先5〜10cmの箇所に目印(マスキングテープなど)を貼り、ボールをクリーンに打った後にその目印をヘッドで擦るドリルを行うことで、ボールの先に最下点を作る感覚を養うことができます。
Q3:ターフが全く取れないのですが、ナイスショットが出ていれば直す必要はありませんか?
A3:現代の低重心化されたアイアンでは、払い打ち気味のスイングでも十分に高弾道で飛距離が出る設計のクラブが多く存在します。無理にターフを取ろうとしてスイングを崩す必要はありません。ただし、ライが悪い状況や硬いフェアウェイから安定したスピンをかけたい場合は、薄いターフが取れるダウンブローを習得するのが有利です。
まとめ:正しいダウンブローを身につけてスマートなゴルファーへ
「ターフを取る」とは、無理に地面を掘削することではなく、理にかなったスイングの結果としてボールの先の芝が自然に削れる現象です。
ハンドファーストと体の回転を身につければ、力むことなく「薄く長い」美しいターフが取れるようになり、アイアンの精度とスピンコントロールは見違えるほど向上します。そして、ナイスショットの後には忘れずに目土を行い、コースをいたわるスマートなゴルファーを目指しましょう。 (出典: ターフ を 取る と は(Yahoo!ニュース))