バレーのブロックワンタッチは打数に数える?判定基準と守備の鉄則
バレーボールの試合を観戦中、あるいはコート上で自らプレーしている際、強烈なスパイクが放たれた瞬間に「今のボール、触った?」と息を呑む場面は少なくありません。ボールが前衛の指先をわずかにかすめる「ワンタッチ」は、単なるボールの接触にとどまらず、その後のラリーの展開や審判の笛、チームの守備戦術全体を大きく左右します。
しかし、実際の現場では「ワンタッチがあった場合、自チームは何回ボールに触れるのか」「ブロックアウトとは何が違うのか」といった基本的な規定で混乱が生じるケースも後を絶ちません。今回は公式ルールに基づく厳密な判定基準から、味方の守備を劇的に立て直す声出しの重要性、トップレベルでも多用される実践的な技術まで詳しく紐解きます。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:ブロックでの接触は「打数」にカウントされず、チームはその後も最大3回の接触が認められる。
- 要点2:ワンタッチしたボールがコート外に落ちれば「ブロックアウト」となり、相手チームの得点になる。
- 要点3:指先での微細な接触を見逃さない審判シグナルやチャレンジ判定の仕組み、瞬時の声出しが勝敗を分ける。
【基本ルール】ブロックワンタッチは打数にカウントされる?決定的な規定
バレーボールの競技規則において、最も誤解されやすいポイントのひとつがブロックワンタッチ回数カウントの取り扱いです。日本バレーボール協会(JVA)や国際バレーボール連盟(FIVB)が定める公式のバレーボールブロックルールでは、「ブロックの接触はチームの打数としてカウントしない」と明確に規定されています。
通常、ボールを相手コートへ送り返すまでに認められている接触は「3回以内」です。しかし、相手の攻撃をネット際で阻止しようと跳び上がり、指先などにボールが触れたとしても、それはカウントゼロの扱いになります。つまり、ブロックに当たった後、自チームには新たにブロック後のアタック打数として最大3回のタッチ権がそのまま残されているわけです。
さらに見落とされがちなのが、連続接触に関する特例です。通常、同一の選手が連続してボールに触れると「ダブルコンタクト(ドリブル)」の反則を取られます。しかし、ブロックでワンタッチした選手本人に限り、跳ね返ったボールを自らレシーブ(ファーストタッチ)することが公式に認められています。この場合、ブロックした選手がレシーブした時点でようやく「チームの1打目」としてカウントされ、続く味方がトスを上げ、3打目でスパイクを打ち返す連係が成立します。
ブロックアウトとの違いは?ワンタッチ判定基準の詳細と失点パターン
ワンタッチとセットで耳にするのが「ブロックアウト」という言葉です。両者の違いをシンプルに整理すると、「ワンタッチしたボールが最終的にどう処理されたか」という結果にあります。
アタッカーが放ったボールがブロッカーの手に当たった後、自チームのコート外やアンテナ外側のインプレー外エリアに落ちた場合、それは「ブロックアウト」と呼ばれ、攻撃側(アタッカー側)の得点となります。一方で、ブロックに当たったボールが自コートの内側に落ちてくる、あるいはフロアに落ちる前に味方選手が拾い上げてラリーを継続させた場合、一連の接触は「ワンタッチ(有効なブロック接触)」として機能します。
ここで知っておくべきワンタッチ判定基準の詳細として、次のような失点パターンが挙げられます。
- ブロック吸い込み判定:強打をブロックした際、手とネットの隙間にボールが落ちてそのまま自陣の床に落ちる現象。手で触れていてもネットと体の間に挟まれて落球すれば、当然ながら相手の得点になります。
- アンテナ接触:ブロックの手に当たったボールが、アンテナ本体やアンテナ外側のネットに接触した場合、最後に触れたのはブロッカーとみなされ、相手の得点(アウトオブバウンズ)が宣告されます。
- タッチネット反則ルール:ボールが指先をかすめたかどうかと同時に厳しく見られるのがネットへの接触です。インプレー中、ボールをプレーする一連の動作の中でネットの白帯や網目に触れると「ネットタッチ」の反則となり、ワンタッチの成否にかかわらず即座に失点となります。
審判のハンドシグナル判定と最新のチャレンジシステム判定
激しい攻防の中でボールが指先をかすめた際、主審や副審、線審(ラインジャッジ)はどのようなシグナルで状況を示しているのでしょうか。試合の行方を追う上で欠かせないのが、審判団による審判ハンドシグナル判定です。
主審および副審は、ブロックによるワンタッチを認めた場合、片方の手のひらを胸の前で垂直に立て、もう片方の手の指先で下から上に向かって軽く払う(擦る)動作を行います。このジェスチャーが出れば「ブロックに当たってからアウトになった(=攻撃側の得点)」、あるいは「ブロック接触があったため打数はリセットされている」という共通認識がコート全体に共有されます。線審の場合は、持っているフラッグを直立させ、もう片方の手のひらを旗の先端にかざすシグナルでワンタッチを主審に伝達します。
現在、国際大会や国内トップリーグで定着しているのが、ビデオ判定を用いるチャレンジシステム判定です。スパイクがアウトになった際、「指先に触れていたかどうか」を巡って監督からチャレンジが要求される場面は頻繁に見られます。ウルトラハイスピードカメラによるスーパースロー映像では、ボールが通過するコンマ数秒の間にブロッカーの指先がわずかに振動したか、あるいはボールの回転軸が急激に変化したかがミリ単位で検証されます。肉眼では判別不可能なレベルの接触がテクノロジーによって白日の下に晒される現代バレーにおいて、ワンタッチの重みは一段と増しています。
味方を救う「ワンタッチ!」の声出し|実戦で機能するコールと判断
競技の現場において、ルールの理解と同じくらい勝敗に直結するのがワンタッチコール声出しです。ブロックの手にボールが当たった瞬間、前衛のブロッカーが「ワン!」「ワンタッチ!」と大声で叫ぶシーンをよく目にするはずです。このコールには、極めて実戦的な2つの目的が存在します。
第1に、後衛を守るレシーバーへの情報伝達です。強烈なスパイクの軌道は、前衛の体や腕に遮られて後衛からは死角になることが珍しくありません。ボールの威力がブロックで弱まったのか、それともコースが変わったのかを瞬時に把握できないと、後衛の初動が0.1秒遅れます。ブロッカーが接触の瞬間に声を上げることで、レシーバーは「打球の威力が死んでいる」「自分の守備位置より後ろに落ちてくる」と即座に予測し、確実な落下点へダッシュできます。
第2に、審判へのアピールと意思表示です。審判も人間である以上、かすかな接触音や指先の揺れを見落とす可能性はゼロではありません。選手本人が確信を持ってコールを発することは、微妙な接触を見極める審判の判断材料のひとつとなり、アウトボールを自分たちのチャンスへと引き戻す呼び水になります。声を出さずにボールを見送ってしまえば、審判に「触っていない」と判断されてそのまま相手の得点になりかねません。
ディグとレシーブの連携を高める「ソフトブロック」のコツ
現代のバレーボールにおいて、ブロックは相手のスパイクをコート下に叩き落とす「シャットアウト」だけが目的ではありません。むしろ、意図的にボールを当てて威力を弱め、味方のレシーブにつなげる戦術が主流となっています。ここで重要になるのが、ディグとレシーブの連携を前提としたソフトブロックのコツです。
ソフトブロックを成功させるための要点は、手のひらの角度と力加減にあります。相手コート側へ強く突き出す「キルブロック」とは異なり、ソフトブロックでは手のひらをやや上向き(自陣の天井方向)にセットします。これにより、相手の強打が手に当たった際、ボールが後方へと大きく弾き飛ばされるリスクを抑え、自陣のコート高くにふわりと跳ね上がる「チャンスボール」へと変換できます。
手首を固めすぎず、インパクトの瞬間にわずかに衝撃を吸収する感覚を持つことで、ボールの勢いを完全に殺すことが可能になります。前衛がコースを限定してソフトワンタッチを奪い、後衛のディガー(強打レシーバー)が定位置で確実にボールを上げるという強固なトータルディフェンスが完成すれば、チームのブレイク率(サーブ権を持っているときの連続得点率)は飛躍的に跳ね上がります。
【バレー ブロック ワンタッチ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:ブロックでワンタッチした選手が、そのまま落ちてきたボールをレシーブしても反則になりませんか?
A1:反則にはなりません。ブロックの接触はチームの打数に含まれないため、同一選手が続けてレシーブしてもダブルコンタクト(ドリブル)は取られず、そのレシーブが「チームの1打目」として認められます。
Q2:サーブを前衛がジャンプしてブロックし、ワンタッチした場合はどうなりますか?
A2:反則(相手の得点)になります。公式ルール上、相手チームのサービスを直接ブロックすることは禁止されています。ネットより高い位置でサーブに触れた時点で反則が成立します。
Q3:ブロックの指先に当たったボールがそのままアンテナに当たりました。どちらの失点ですか?
A3:ブロッカー側の失点(相手チームの得点)です。ボールがアンテナに接触した場合、直前にボールへ触れていた選手の責任となるため、最後に触れたブロッカーのアウトオブバウンズ(ブロックアウト成立)と判定されます。
Q4:2人のブロッカーが同時に飛んでボールに触れた場合、打数はどうカウントされますか?
A4:2人(または3人)が同時に触れた場合でも、ブロックとしての接触であれば打数は一切消費されません。チームには依然として3回の攻撃権が残ります。
まとめ:ワンタッチを制するチームがラリーを支配する
バレーボールにおけるブロックワンタッチは、単なる偶然の産物ではなく、綿密な戦術とルール理解に裏打ちされた重要な攻防の起点です。ブロックの接触が打数にカウントされないというルールを正しく把握していれば、慌てることなく3回の攻撃権を使って態勢を立て直すことができます。
また、味方レシーバーの足を動かすための「ワンタッチ!」のコールや、強打の勢いを殺すソフトブロックの技術は、強豪チームほど徹底されています。テレビ観戦時は審判のハンドシグナルやチャレンジ映像に注目し、自らプレーする際は瞬時の声出しと連係を意識することで、バレーボールという競技の奥深さをより一層体感できるはずです。 (出典: バレー ブロック ワンタッチ(Yahoo!ニュース))