FGO第6章Zeroとは?竹箒日記が明かした獅子王降臨と円卓の真実
スマートフォン向けRPG『Fate/Grand Order』(FGO)において、シナリオの転換点にして屈指の傑作と称される第1部第6章「神聖円卓領域キャメロット」。奈須きのこ氏が本格的にメインシナリオを執筆し、その重厚な物語と圧倒的な難易度でプレイヤーに鮮烈な衝撃を与えました。しかし、作中で藤丸立香たちが目撃した凄惨な光景に至るまでには、ゲーム本編では語りきれなかった過酷な前日譚が存在します。
ファンの間で「第6章Zero」と呼ばれるこの前日譚は、シナリオ配信当時に奈須きのこ氏の公式Webブログ「竹箒日記」で明かされた門外不出の裏設定です。なぜ円卓の騎士たちはかつての仲間を粛清しなければならなかったのか、獅子王の降臨によって何が起きたのか、そしてベディヴィエールの彷徨の真相とは何だったのか。本稿では、設定資料や劇場版での描写を交えながら、第6章の根幹を成す悲劇のプロローグを徹底解説します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「第6章Zero」は奈須きのこ氏の「竹箒日記」で明かされた、第6章本編開始前の円卓の騎士たちによる血塗られた決断の記録。
- 要点2:獅子王の聖抜に賛同した騎士と拒絶した騎士による「円卓の粛清」が行われ、生き残った者に過酷な「ギフト」が授与された。
- 要点3:自責の念から1500年間歩み続けたベディヴィエールの罪と贖罪が、キャメロット崩壊の最大の鍵となっている。
【公式の裏設定】「FGO第6章Zero」とは?竹箒日記で明かされた前日譚の概要
「第6章Zero」という呼称は、2016年7月の第6章配信直後、原作者である奈須きのこ氏が自身のブログ「竹箒日記」に書き残した背景設定テキストに由来します。ゲーム本編の第6章は、主人公たちが荒廃した中東の地にレイシフトした時点から始まりますが、その段階ですでにエルサレムは陥落し、白亜の城「キャメロット」が屹立していました。
プレイヤーが目にしたのは、冷酷に民を選別する獅子王と、かつての栄光を捨てて王の命に従う円卓の騎士たちの姿でした。なぜ高潔な騎士たちが虐殺に手を染めているのか、なぜ味方同士であるはずの英霊たちが対立しているのか。ゲーム内だけでは描き切れなかった「キャメロット建国に至るまでの数日間の惨劇」を補完するために公開されたのが、この前日譚です。
竹箒日記に綴られたその内容は、公式設定でありながらあまりにも重く、ファンの間で瞬く間に拡散されました。単なるサイドストーリーの枠を超え、第6章という物語の解像度を決定づけるマスターピースとして、現在も語り継がれています。
獅子王の召喚と聖都建設の経緯|十字軍との戦いから崩壊へ
物語の発端は、1273年のエルサレムに生じた特異点でした。本来の歴史であれば第9回十字軍が遠征していた時代ですが、魔術王の手によって聖杯が与えられたことで、この地は偽りの十字軍によって蹂躙されていました。
そこに召喚されたのが、聖槍ロンゴミニアドの力によって神霊へと変貌を遂げたアルトリア・ペンドラゴン――すなわち「獅子王」です。獅子王は人理焼却によって人類の未来が失われることを予見し、世界が完全に消滅する前に、価値ある人間たちの魂を「標本」として聖槍の果てに保存する救済計画を企てます。これが「聖抜」の始まりです。
獅子王は自らの手足として、かつて自らに仕えた円卓の騎士たちを一斉に召喚しました。そして、偽りの十字軍を瞬く間に殲滅し、その跡地に自らの理想郷である白亜の聖都を建設したのです。しかし、この救済計画は「選ばれなかった99%の命を容赦なく切り捨てる」という、かつての騎士道精神とは真逆の冷徹な選別を意味していました。
なぜ円卓同士が殺し合わなければならなかったのか?過酷な「選定と粛清」
召喚された円卓の騎士たち全員が、最初から獅子王の狂気に従ったわけではありませんでした。獅子王は召喚した騎士たちを集め、自らの目的を告げた上で冷酷な選択を突きつけます。「我が大業に従うか、否か。日没までに決断せよ」と。
夕刻、円卓の騎士たちは二つの陣営に分かれました。人類の完全な消滅を拒み、たとえ邪道であっても一部の魂を残すために王に従う道を選んだ者たち。そして、罪なき人々を虐殺する選別を受け入れられず、騎士の誇りを胸に王へ剣を向けた反逆者たちです。
結果として始まったのが、円卓の騎士同士による凄惨な殺し合い「円卓の粛清」でした。獅子王側に付いたガウェイン、トリスタン、ランスロット、モードレッド、アグラヴェインらは、かつて背中を預け合ったガレス、パーシヴァル、ケイといった同胞たちを自らの手で切り伏せていきました。ガレスは仲間を斬る罪悪感に苛まれながらもガウェインを庇って命を落とし、騎士たちは心に消えない傷を刻みながら、聖都を守る修羅の道へと足を踏み入れたのです。
【ギフトの真実】ガウェインの「不夜」・トリスタンの「反転」・アグラヴェインの忠誠
粛清を生き残り、王への絶対服従を誓った騎士たちに対し、獅子王は神の権能の一部である「ギフト」を授与しました。これは彼らの忠誠への報奨であると同時に、人間性を削ぎ落として冷徹な執行者へと変貌させる呪縛でもありました。
代表的なギフトの背景と、騎士たちの歪んだ忠誠は以下の通りです。
| 騎士名 | 授かったギフト | ギフトの本質と精神状態 |
|---|---|---|
| ガウェイン | 不夜 | 太陽の出ている間は力が3倍になる。同胞と妹ガレスを手にかけた罪滅ぼしとして、王の命令には一切の私情を挟まず従うことを誓った。 |
| トリスタン | 反転 | 仲間を殺めた悲嘆により精神崩壊を起こしかけたため、人格を「反転」させ、一切の慈悲や嘆きを感じない冷血無比な虐殺者となった。 |
| モードレッド | 暴走 | 常に魔力を限界まで燃焼させる。王に認められたいという純粋な渇望のみで戦場を駆けた。 |
| アグラヴェイン | (なし) | ギフトを拒否。自らの肉体を薬物で蝕みながら、唯一「アルトリア個人」ではなく「王というシステム」を守るために狂気の執務をこなした。 |
特にアグラヴェインの立ち位置は異質でした。彼は母モルガンの呪縛から重度の女性不信を抱えていましたが、獅子王の冷徹な統治体制こそが完全な国家であると信じ、過剰な負荷に耐えながら聖都の内政を一身に背負い続けました。彼らの忠誠は、美談などではなく、罪と後悔によって塗り固められた絶望の産物だったのです。
ベディヴィエール「1500年の彷徨」|贖罪の旅路と第6章本編への接続
円卓の騎士たちが凄惨な粛清を行っていたその時、唯一その場にいなかった騎士がベディヴィエールです。彼こそが、獅子王降臨の根本的な原因を生み出してしまった張本人でした。
伝説の終わりであるカムランの丘において、瀕死のアルトリアから「聖剣エクスカリバーを湖に返還せよ」と命じられたベディヴィエールは、王の死を受け入れることができず、命に背いて剣を隠してしまいました。その結果、アルトリアは死ぬことができず、聖槍の力に呑まれて神霊「獅子王」へと成り果ててしまったのです。
自らの弱さが王を怪物にしてしまったことを悟ったベディヴィエールは、アヴァロンで魔術師マーリンの助力を得ます。マーリンはベディヴィエールの右腕に返還し損ねた聖剣を組み込み、銀の義手「アグラートレーム」へと偽装しました。彼は英霊として座に登録されていない生身の人間のまま、自らの王に聖剣を返し、今度こそ正しく逝かせるために1500年もの間、世界を彷徨い続けたのです。
魂が摩耗し、肉体が朽ち果てる寸前で彼が辿り着いたのが、1273年の特異点でした。第6章本編の冒頭で砂漠に倒れていた彼の姿は、この気の遠くなるような巡礼の果てにあったのです。
劇場版キャメロットと原作の違い|映像化で再解釈された前日譚の描写
2020年から2021年にかけて公開された劇場版『Fate/Grand Order -神聖円卓領域キャメロット-』(前編 Wandering; Agateram / 後編 Paladin; Agateram)では、この第6章Zeroの要素が巧みに映像へ組み込まれました。
原作ゲームではテキストのみで語られた「円卓の粛清」が、劇場版前編のアバンタイトルにおいて劇的なアニメーションで描写されています。降りしきる雨と夕闇の中、ガウェインやランスロットがかつての友を切り捨てるシーンは、劇場版ならではの演出として大きな話題を呼びました。
尺の都合上、ゲーム本編に登場した一部のエピソードや交戦ルートは整理されたものの、ベディヴィエールの背負った1500年の重みと、獅子王との対峙という物語の核心はより先鋭化されました。奈須きのこ氏の設定資料集(マテリアル)に記載された緻密な設定が、映像作品の端々に散りばめられたことで、作品の完成度はさらに高まりました。
【fgo 6 章 zero】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:「第6章Zero」のストーリーはゲーム内のマテリアルなどで直接読めますか?
A1:ゲーム本編内に「第6章Zero」という独立したクエストやシナリオパートは実装されていません。基本的には奈須きのこ氏のブログ「竹箒日記(2016年7月30日・31日等の更新分)」や、公式設定資料集『Fate/Grand Order material IV』などの書籍、劇場版アニメのアバンパートでその内容を確認することができます。
Q2:円卓の粛清で討たれた騎士には誰がいましたか?
A2:公式設定およびマテリアルにおいて、ガレス、パーシヴァル、ケイ、パロミデス、ユーウェイン、ペリノアなどが討伐された、あるいは戦いに巻き込まれたことが言及されています。特にガレスは、敵対したものの実兄であるガウェインと戦うことを拒み、自ら討たれる道を選びました。
Q3:ベディヴィエールはなぜサーヴァントとして召喚できたのですか?
A3:第6章開始時点の彼はサーヴァントではなく、マーリンの魔術によって肉体を維持し続けていた生身の人間です。第6章の戦いの果てに王へ聖剣を返還し、その役割を終えて消滅したことで、初めて「人理を救った英雄」として英霊の座に記録され、プレイヤーが召喚できるサーヴァントとなりました。
まとめ:過酷な前日譚を知ることで深まる「神聖円卓領域」の真価
『Fate/Grand Order』第6章が今なお多くのファンの心を掴んで離さないのは、敵として立ちはだかる円卓の騎士たちにも、決して譲れない苦渋の決断と積み重ねられた悲劇があったからです。「第6章Zero」で描かれた前日譚を知ることで、本編で交わされる台詞の一つひとつや、騎士たちの最期の言葉が持つ意味は劇的に変化します。
過ちを正すために1500年を歩き抜いたベディヴィエールと、過ちを背負いながら王に殉じた円卓の騎士たち。その壮絶な生き様を背景に持つキャメロットの物語は、FGOという作品が持つドラマ性の高さを象徴する金字塔と言えます。 (出典: fgo 6 章 zero(Yahoo!ニュース))