ガロア群の計算手順を徹底解説!3次・4次方程式の決定法と具体例

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ガロア群の計算手順を徹底解説!3次・4次方程式の決定法と具体例
ガロア群の計算手順を徹底解説!3次・4次方程式の決定法と具体例
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代数学の最高峰とも称されるガロア理論において、多くの学習者が最初の大きな壁としてぶつかるのが「具体的なガロア群の計算」です。定義や抽象的な定理は理解できても、いざ具体的な有理数係数の多項式を与えられると、どの手順で群を特定すればよいのか迷ってしまうケースは少なくありません。

本記事では、3次方程式や4次方程式を題材に、多項式の判別式や最小多項式、分解体の拡大次数を活用した決定手順をステップバイステップで明快に解説します。代数方程式の可解性につながるエッセンスを体系的に整理し、独学や試験対策でも迷わず計算を完結できる実践力を身につけましょう。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:ガロア群の計算は「既約性の確認」「分解体の次数決定」「判別式による交代群判定」が基本の3ステップ。
  • 要点2:3次方程式は判別式が有理数の平方数かで位数3(交代群)か位数6(対称群)かが一撃で決まる。
  • 要点3:4次方程式は3次分解方程式(レゾルベント)を併用し、$S_4, A_4, D_4, V_4, C_4$ の5候補を論理的に絞り込む。

【ガロア理論の核心】ガロア群の定義と計算の全体像

有理数体 $\mathbb{Q}$ 上の多項式 $f(x)$ に対するガロア群とは、直観的には「多項式の根の対称性を表す変換の集まり(自己同型群)」です。$f(x)$ のすべての根を $\mathbb{Q}$ に添加した体を「最小分解体(あるいは単に分解体)」と呼び、$L$ と表します。このとき、基礎体 $\mathbb{Q}$ の元を動かさずに $L$ から $L$ 自身へ写す体の同型写像全体のなす群を $\mathrm{Gal}(L/\mathbb{Q})$ と定義します。

ガロア群の計算をスムーズに進める基本原則は次の3点に集約されます。

第一に、多項式 $f(x)$ が既約である場合、ガロア群は根の置換群として作用し、その作用は推移的(transitive)になります。$n$ 次の既約多項式であれば、ガロア群は $n$ 次対称群 $S_n$ の推移的部分群のいずれかと同型です。

第二に、体の拡大次数 $[L:\mathbb{Q}]$ はガロア群の位数 $|\mathrm{Gal}(L/\mathbb{Q})|$ と完全に一致します。これはガロア拡大における最も重要な基本定理の一つです。

第三に、多項式の根の差の積から作られる多項式の判別式 $D$ を計算することで、ガロア群が偶置換のみからなる交代群 $A_n$ に含まれるかどうかが瞬時に判別できます。

【位数と拡大次数の求め方】最小多項式と分解体から群を絞り込む原則

具体的な計算に着手する際、最初に行うべきは多項式の既約性判定と最小多項式の確認です。アイゼンシュタインの判定法や有理根定理、あるいは有限体 $\mathbb{F}_p$ への還元を用いて、多項式が有理数体上で因数分解できないことを証明します。

既約多項式 $f(x)$ のある1つの根を $\alpha$ とすると、単拡大 $\mathbb{Q}(\alpha)$ の拡大次数 $[\mathbb{Q}(\alpha):\mathbb{Q}]$ は多項式の次数 $n$ に一致します。分解体 $L$ は $\mathbb{Q}(\alpha)$ を含むため、拡大次数の積の公式より、ガロア群の位数 $|G| = [L:\mathbb{Q}]$ は必ず多項式の次数 $n$ の倍数になります。

例えば、3次多項式であればガロア群の位数は3の倍数(3または6)、4次多項式であれば4の倍数(4, 8, 12, 24のいずれか)に限定されます。これだけで候補となる群は大幅に絞り込まれます。

【3次方程式の決定手順】判別式で見抜く「S3」と「A3」の分岐ルート

有理数係数の既約な3次多項式 $f(x) = x^3 + px + q$ のガロア群の決定は、ガロア理論の典型的な入門問題です。3次対称群 $S_3$ の推移的部分群は、位数6の自身 $S_3$ か、位数3の交代群 $A_3$(巡回群 $\mathbb{Z}/3\mathbb{Z}$ と同型)の2種類しか存在しません。

判定の決定打となるのが判別式 $D = -4p^3 - 27q^2$ です。根の差の積 $\Delta = (\alpha_1-\alpha_2)(\alpha_1-\alpha_3)(\alpha_2-\alpha_3)$ に対し、$D = \Delta^2$ が成り立ちます。偶置換は $\Delta$ の符号を変えませんが、奇置換は $\Delta$ を $-\Delta$ へ移します。したがって、$\Delta \in \mathbb{Q}$、すなわち $D$ が有理数の平方数であることと、ガロア群が $A_3$ に含まれることは同値です。

【計算の具体例1:$f(x) = x^3 - 3x + 1$】
判別式を計算すると、$D = -4(-3)^3 - 27(1)^2 = 108 - 27 = 81 = 9^2$ となります。$D$ が有理数の平方数であるため、差の積 $\Delta = 9 \in \mathbb{Q}$ となり、ガロア群に奇置換は含まれません。よって、ガロア群は位数3の交代群 $A_3 \cong \mathbb{Z}/3\mathbb{Z}$ と決定できます。

【計算の具体例2:$f(x) = x^3 - 2$】
$p=0, q=-2$ より、$D = -27(-2)^2 = -108$ です。これは負の数であるため有理数の平方数ではありません。したがって奇置換が含まれ、ガロア群は位数6の3次対称群 $S_3$ と確定します。実際に根は $\sqrt[3]{2}, \sqrt[3]{2}\omega, \sqrt[3]{2}\omega^2$($\omega$ は1の原始3乗根)であり、分解体は $\mathbb{Q}(\sqrt[3]{2}, \omega)$ で拡大次数は $3 \times 2 = 6$ となります。

【4次方程式の決定手順】3次分解体と部分群(S4・A4・D4・V4・C4)の完全攻略

既約な4次多項式 $f(x) = x^4 + ax^3 + bx^2 + cx + d$ のガロア群は、$S_4$ の推移的部分群である以下の5種類のいずれかになります。

  • $S_4$(4次対称群:位数24)
  • $A_4$(4次交代群:位数12)
  • $D_4$(二面体群:位数8)
  • $V_4$(クラインの四元群:位数4)
  • $C_4$(4次巡回群:位数4)

4次方程式のガロア群を特定する強力な武器が、3次分解方程式(レゾルベント多項式:resolvent cubic)です。$x^4 + px^2 + qx + r$ の形に変形したとき、3次分解方程式 $R(y) = y^3 - 2py^2 + (p^2 - 4r)y + q^2$ を作成します。

判定のアルゴリズムは明快です。まず多項式全体の判別式 $D$(これは $R(y)$ の判別式と一致します)と、$R(y)$ の有理数体上での因数分解の様子を調べます。

  1. $R(y)$ が $\mathbb{Q}$ 上で既約な場合:
    • $D$ が平方数なら $\rightarrow$ $A_4$
    • $D$ が平方数でないなら $\rightarrow$ $S_4$
  2. $R(y)$ が1つの有理根 $y_1$ を持ち、2次式に分解する場合:
    • $D$ が平方数でないなら $\rightarrow$ $D_4$
  3. $R(y)$ が3つの有理根に完全分解する場合(分解次数が1):
    • 元の多項式 $f(x)$ が $\mathbb{Q}(\sqrt{D})$ 上で可約になるかを確認し、$V_4$ または $C_4$ を判定。

この分岐ツリーを把握しておけば、複雑に見える4次方程式のガロア群も機械的に正解へとたどり着くことが可能です。

【円分多項式とガロア対応】中間体の構造を解き明かす代数学の美しさ

代数方程式のなかでも際立って美しい構造を持つのが、1の原始 $n$ 乗根 $\zeta_n = e^{2\pi i / n}$ の最小多項式である円分多項式 $\Phi_n(x)$ です。$\Phi_n(x)$ の次数はオイラーのトーシェント関数 $\phi(n)$ に等しく、その分解体 $\mathbb{Q}(\zeta_n)$ のガロア群は、既約剰余類群 $(\mathbb{Z}/n\mathbb{Z})^\times$ と自然に同型となります。

円分拡大のガロア群は常に可換群(アーベル群)であるという決定的な特徴を持ちます。ここから展開されるのが、現代代数学の真骨頂であるガロア対応です。

ガロア対応とは、拡大体 $L/K$ の「中間体 $M$」と、ガロア群 $G$ の「部分群 $H$」が1対1で反変に対応するという定理です。群論側の部分群の包含関係や正規部分群の構造を調べるだけで、目に見えない中間体の構造や体の拡大次数が完全に把握できます。

【方程式の可解性】なぜ5次方程式には一般的な解の公式が存在しないのか

歴史的な大難問であった「代数方程式の解の公式の存在性」は、ガロア群が可解群(solvable group)であるかどうかという群論の性質に帰着されます。「四則演算とべき根の添加」によって解を表現できることと、その多項式のガロア群が巡回群の拡大列として分解できる(可解群である)ことは同値です。

2次、3次、4次の方程式に対応する対称群 $S_2, S_3, S_4$ はすべて可解群であるため、カルダノの公式やフェラーリの公式といった代数的な解の公式が構成できます。

しかし、5次以上の対称群 $S_n$($n \ge 5$)および交代群 $A_n$ は非可換な単純群を含み、可解群ではありません。一般の5次方程式のガロア群は $S_5$ となり可解群の構造を持たないため、四則演算と根号のみを用いた一般的な解の公式は存在しないという結論が導かれます。ガロア群の計算技術は、単なるパズルではなく、この歴史的偉業を証明するための不可欠な基盤なのです。

【ガロア群の計算】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:多項式の判別式が正か負かでガロア群の何が分かりますか?
A1:判別式の正負は「実数根と複素数根の個数」に対応します。3次多項式の場合、$D > 0$ であれば相異なる3実根を持ち、$D < 0$ であれば1実根と1組の共役複素数根を持ちます。複素共役写像は根の互換(奇置換)を引き起こすため、$D < 0$ の時点で奇置換の存在が確定し、ガロア群は直ちに $S_3$ であると分かります。

Q2:既約多項式でない場合、ガロア群の計算はどうすればよいですか?
A2:多項式が有理数上で $f(x) = g(x)h(x)$ と因数分解できる場合、まず各既約因数の分解体を求め、それらの合成体を構成します。全体のガロア群は、各因数のガロア群の直積 $\mathrm{Gal}(L_g/\mathbb{Q}) \times \mathrm{Gal}(L_h/\mathbb{Q})$ の部分群として計算します。

Q3:ガロア群の計算問題を素早く解くためのコツはありますか?
A3:まずは有限体 $\mathbb{F}_p$ 上での素元分解(デデキントの定理)を利用して、ガロア群に含まれる置換の型(巡回置換のサイクル構造)を素早く特定するのが実戦的なテクニックです。例えば、mod $p$ で3次巡回群が現れ、mod $q$ で互換が現れれば、その2元で生成される $S_n$ 全体がガロア群になると瞬時に判断できます。

まとめ:ガロア群の計算をマスターするためのステップと学びの指針

ガロア群の計算は、一見すると抽象的で難解に思えますが、手順を因数分解・判別式・拡大次数の3ステップに分解することで、明快な論理の積み重ねとして攻略できます。

3次方程式における判別式の平方数判定、4次方程式における3次分解方程式の活用、そして円分多項式のアーベル群構造を押さえることが、ガロア理論制覇への確実な近道です。まずは手元の具体的な多項式を用いて、判別式と拡大次数を自らの手で計算し、抽象代数学の持つ圧倒的な明快さを体感してみてください。 (出典: ガロア 群 計算(Yahoo!ニュース))

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